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希少な黒の時祷書。これは見開きで見るのが良い。テキストは金と銀色で書かれ、大きなイニシャルには金箔が被せられている。単色の碧の背景の上に金の植物文様が描かれ、ミニアチュールは抑えたブルー、オールド・ローズ、グリーン、グレイ、白のみで描かれた。黒い背景には金色のハイライトが際立つ。
黙示録⑥
24人の長老が神の前に跪拝する。天にある神の聖所が開かれ契約の箱が見える。太陽を纏い足の下に月を踏み頭に12の星の冠を被った子を宿した女の幻。産まれる子を食い尽くそうと構える赤い竜。天使たちが竜と戦い子は神の手に。天ではミカエルたちが竜と戦いサタンやその僕を地に投げ落とす。
1250年や1000年頃の写本には手描きの背景はなく金箔を贅沢に貼っている。王侯貴族のみが特権的に閲覧し表紙には宝石と金からなる宝物風装丁が施されている。一般に時代が下るに連れ金の割合は減ってゆき代わりに巧みなマージン装飾で埋められる。最後の1540年の写本の頁には1gの金も使われていない。
バルトロメ・ベルメホは大天使ミカエルに退治された悪魔を愛嬌たっぷり漫画的に描いている。悪魔は悍ましい姿にも美しい姿にも描かれるが絵画や写本の悪魔には耽美を超えた魅力がある。ピーテル・ブリューゲルの叛乱天使の墜落には悪魔も混ざっているが右上にいる悪魔が可愛い。ボスの絵の右下の悪魔。
クリスマス・イブはクリスマス前夜であるが、お祝いが始まるのは24日の日没から。夕方に祈りを捧げ、真夜中のミサが夜じゅう行われる。私はエルサレムでギリシア正教の真夜中のミサに参加させて頂いた。照明のない旧市街の階段迷路を通り聖墳墓教会に辿り着くと、教会内も暗闇に蝋燭の灯りが輝くのみ。
チェコの写本、1420年の『人類救済の鏡』。1頁に2枚ずつの絵でイエスの受難等と鏡を通してそれを世俗に置き換える。ユダがキリストを逮捕させるために接吻する場面は夜のホモたちに、十字架を担ぐキリストと対照の絵は薪運びの少年。イエス復活の鏡は脱獄囚、イエスの黄泉降りvs親しい人々との再会。
写本の中で15世紀頃の食事の様子が想像できる。但し古代の出来事も中世、ルネサンスの風景になる。皇帝が大勢の廷臣や使用人を動かし宴会。骨を待つ犬。アレクサンドロス大王のディナー。鳥や魚の描写がリアル。戦場のテントで食事をとるシャルルマーニュ。優雅に踊ったサロメは洗礼者ヨハネの首を得る
ゴシック祭壇画、写本の挿絵、聖書の題材は様々なスタイルで永遠に描かれる。コロンビア出身のフェルナンド・ボテロの描く人物は皆デブだが彼は宗教的絵画も描き'地獄の門'は特に興味深い。ポール・デルヴォーは第2次大戦時ベルギー王立自然史博物館でヒトの骨のスケッチに熱中、独自の宗教画を確立。