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毎日体ろり#203
梅雨があけた。部活後みんなにスーパーで売っている箱入りのちゃちな棒付きアイスを配った。こどもってなんであんなにアイスが好きなんだろうね。きみはできたての入道雲みたいな笑顔で「先生ってお金持ちなの?」って聞いた。架空の胸の臓器が痛んだ。だって、きっと最後の夏が来る。
毎日体ろり#202
松野、もしかしてきみは思っているよりも早く大人になってしまうの?ぼくは、きみのそのフォルムはもちろん、声も肌もにおいも、どれかひとつでも駄目になってしまう日を恐れてる。憎む神に祈りながら眠るという矛盾を繰り返してる。今日のままのきみに明日も会いたいって、狂ってる。
毎日体ろり#201
おとなになんてならなくていいんじゃない?、て聞いたら、先生ってこどもだね、って。心臓を少しよじられた気持ちになって覆いかぶさったら、こどもの声で大人みたいにないた。
毎日体ろり#199
きみが壁に貼られた給食の献立表の紙を毎日見てること知ってる。それは、楽しみなんじゃなくて嫌いなものを食べさせられる心構えを毎日しているっていうこと。でも今日は、よかったね。きみの大好きなシャリシャリした七夕ゼリーだ。頑張って苦手なお野菜、食べたね。泣きたくなるよ。
毎日体ろり#198
たくさん泣いたり気持ちが動いたからきみは疲れて寝ちゃった。ぼくはきみに酷いことがしたいんじゃない痛いことや辛いことがしたいんじゃない、ただ、愛して、愛されたいんだ。それだけなんだ。それが一生叶わないから、熱で湿っぽいきみを、少し抱いて、ねぇ、世界、待ってよ。世界。
毎日体ろり#197
プールの授業を熱があるのに出たきみを少し叱った。「だって休んだら見学になるでしょ」「女子のおしゃべり聞くのが嫌なの」。こわいから、って。ごめん松野、ごめん。待って先生、今考えてる。どうしたら君とふたりきりの世界にいけるのか、真剣に考えてる。すごく、考えているよ。
毎日体ろり#196
台風の日のきみってほんと最高。連絡網がまわってくるまでそわそわして、ゆるゆるの僕のTシャツきて、教育テレビみて、マンガもお菓子もゲームも並べて、安心なキャンプみたいにドキドキするんだ。やわらかいタオルケットかぶって。でもきみ、それ忘れちゃうんだよなぁ。つらいなぁ。
毎日体ろり#194
「デコが31日までの月、引っ込んでるのが30日まで」。なるほど。「二四六九士だな」、と言うと、なにそれってきみ。説明すると、そっちのがおまじないぽいね、って笑った。だから、松野、じゃあ7月は何日まで?8月は?って繰り返した。先生、もうわかったでしょ、って言われるまで。