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銀は息をするのすらままならず、不器用に空気を吸っては吐いた
「夢...」
「違う...ほら、ちゃんと俺を見なよ」
*
視界にはお互いの目しかなく、銀はゴクッと喉を鳴らした。鼻先をスリっと擦り付けて社がもう一度口を開く
「杠銀...好きだよ」
駆け出して行った原さんを見送った視線がそのまま、アキのところで止まる。視線が合うとアキがこちらを冷たい目で見つめる
「…ええ湯やったわ」
次の瞬間、アキがにっこりと笑って、普通にそう言う
「そ、そ、それはよかった…………ね」
思わず俺はベッドに寝転がったままそう答えていた。
あの日見た少年の姿がいつも幸せそうにピアノを弾く本郷の姿に重なる
その瞬間、勝手に涙が頬を伝ってパタリと滴り落ちた
*
「……俺、お前のピアノ聞けて良かった」
例えそんなはずはなくても、幼い頃から聞きたかったのはきっと本郷のピアノだ
だって悠は今、こんなにも綺麗で眩しい世界に居る。
店長の恋人って、……この加藤さんなのかもしれない。
「同じ男ならなぜ俺を」と思わせてもくれないほど圧倒的な男と付き合い出したんだなと、打ちのめされてしまった。
爽やかで愛想も良くて、人懐っこい。勝てるわけない。
撃沈。
*
一人大きなため息をつく様子を木崎さんだけが見ていた。
離れても、終わらないと約束した。
*
挨拶のために登壇していた社と視線が絡んだと同時に、2人の時にしか見せたことの無い微笑みを銀へと向けた。
*
これからも、2人はそれぞれの道に互いを必要としながら生きていくのだと。
そう誓い合ったようにも見て取れた。
「よう!お前ら写真撮るぞ!」
舞台が暗転して、幕が引かれる
*
「………おつかれ」
そう言って小さく笑うアキは普段どおりで、涼しい顔をして
「この衣装、ホンマうっとうしいわ」
すたすたと歩いて、あっさりとその場を離れた
俺は一人で先ほどのことが理解できなくて、ずっと固まったままで
俺、キス、された?
「!」
そんな俺の視線に引っ張られるように、ゆっくりアキが視線を上げる。ちょっと困ったような顔で笑った。
「ほんま、これ、高うつくで?」
施された化粧のせいで、まるでオンナの人にしか見えなくて、しかも、めちゃくちゃ美人にしか見えなくて。
まさにドストライク過ぎて、一瞬息を呑む
「死ぬのは許さぬ」
ぽつりと落とされた命令に、俺は仕方なくトイレタンクから片手を離すと魔王の後頭部をくしゃくしゃとかき混ぜた。
さらりとした感触の黒髪が指に絡む。
「……死なねぇよ」
少しだけ見た夢は、今日の雑誌撮影の夢だった。シングルの衣装に身を包み、黒と白の羽がふわふわと降ってくる。そんな幻想的で綺麗な撮影現場。俺も神谷も自然と笑っていた。
*
一緒に眠ることも、テレビを見ている神谷の膝枕で眠ることも、俺の一番の幸せだ。隣に神谷がいるという安心感が、