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気持ちいいけど、気持ちよくなりたくなかった。
体は熱いけど心は寒かった。
***
奥に暖かいものが注ぎ込まれた。
涙の跡が残る頬を飛鳥が撫でた。
何だか疲れたな…目を閉じるとすぐに眠ってしまいそうだ。
夢の中、飛鳥が「…ごめん」と言っていた気がした。
「俺のはじめになってくれるか?」
「俺は俺だから、嫌だ。けど一緒にいる」
なんとも取れない返事に、一瞬ポカンとしてから社の頬をするりと撫でて、その手で顎先を固定した。
「嫌なら逃げろよ?」
そう言って唇が重なった。
そう切なげに俺に告げて、アキを見て小さく笑顔を見せる。
「やから、私はこの子の笑顔が一番好きや……」
俺を見つめそう呟くけれど、多分その瞳は俺のことを見ていない。
「…………」
俺はその話を聞きながら、ふと胸が痛い事に気づいた。
ああ、この家は、片思いの人ばかりの家だ。
萩に触れる理由が欲しいだけだな。
そう思いながらまだ意識がぼんやりとした様子の萩の唇を食んだ
だが
「やめてくれ!」
激怒した萩の突き飛ばされた
「君は、一体何のつもりだ。」
「愛しい番だ。触れてなにが悪い。」
どうしたんだ萩
まさか‥
「君は僕を誰かと間違えてるんじゃないのか。」
社の手を掴み、押し倒している格好そのもの...さっきまではふざけていたのに、急になにかのスイッチが入ったかのように動きを止めた
だが、そんな異変を社は気付かずに銀の首にするりと長い腕を回した。
「なんだよ、俺としたいの?キス...」
じゃれ合いの延長だと思い込んで、煽った社の唇が...
「そういうことやないやろ!」
なんで怒っているのか全然わからなくて急な彼の感情の発露にびっくりする。俺は咄嗟におろおろと彼の顔を見て、じっとアキを見つめた。
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「……でも、アキより綺麗な子、いなかったし!」
「だって柔らかくてふわふわじゃん」
「禿げるっていうてたやん」
気づくと軽く口を尖らせているその表情がなんだかとっても可愛くて最初の頃の不愛想無表情よりずっと可愛くて思わずえへへ、と笑ってしまう。そんな俺のしまりのない口元を見て彼はむぅっと眉を寄せた。
「アンタは、ほんまアホや」