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それから少しの沈黙後、立ち上がると再び弓の型を取るよに社は両足を開いた。
杠は、その姿を黙って見入っていた。
「はぁ...」
と、口から吐き出す息は白く、凛とした姿に魅了されるように凝視する杠の視線を知っていながら無視して、型を整えて行く。
「お前、綺麗だな」
「妙に切ない顔してんじゃんかよ?」
「んなわけあるか、馬鹿」
言い返しておきながら、やっぱり視線は立ち去るアキを追っている。
「ヤッバイなあ」
「そろそろ、ヤラレちゃったんじゃな~い?」
笑う二人に、慌ててそっちを向いて。
「バッカじゃねえの?」
二人に順番に蹴りを食らわす。
そう言って笑うと、彼の瞳が細められた。あぁ、笑ったんだと思う。昔からシオウさまはすごく不器用で、笑うのも苦手な人だった。
なんでも出来るのに、ほんの小さなことで躓いたり。思っていたことと、反対のことを言ってしまったり。
そんな彼を支えて、守ってあげたいと思ったんだ。
子供の頃から良く見ていた夢だ。何か得体のしれない黒い影から逃げ続ける夢。空気が重たくて、正体が不明で、イメージは、黒くて、怖い。
俺はそれから、ひたすら逃げ続けていた。
*
「…………」
何かに呼ばれたような気がして、目が開く。薄目を開けると、目の前に深い深い漆黒の闇があった。
目の前に河原の顔があり なにか言う前に唇を塞がれた。
前にも、こんな事が…
今まで忘れていた事が思い出される。
*
変装のままだった
河原の桂を引っ張るとズルッと落ちて美しい金髪が見えた。
いつもの河原らしくない、傷付いた顔をしていた。
「…悪かった、俺としたからお前吐いたんだろ」
「お前が好きだ」
*
ずっと見たかった彼の笑みに、僕は誘われるままに腕を伸ばした。
「せ、ん」
目の前で藤堂がいままでにないくらい、大きく目を見開いて僕を見た。そんな表情を視界の片隅でとらえながら、僕はなにか言いたげに開きかけた藤堂の唇を自分のそれで塞いだ。
思わずその肩に手を伸ばすと。細かく肩が震えている。
蒼白な顔をしながら、涙目で自らを抱きしめるように座り込んで、まったく動こうともしない。
思わず一緒にしゃがみこんで、
「大丈夫か?」
そう言って、気づくと、震える体を抱え込んで、そっと、背中を撫でてやっていた。
「我を憎んではいないのか?」
「いない。・・・愛しているよ、バーン」
言いながらくちづけてサトシはにこりと笑う。この笑顔に何度救われたろう。何度孤独な時に力つけられたろう。また会える事だけを信じられたのも、この笑顔のおかげだった
「・・・サトシ、我の血を飲め。血の契約を交わそう」
生徒会長×主人公のBLゲーム
*
王道転校生のトレードマークのモジャカツラとグルグルメガネを取り去った主人公は、金髪碧眼の美少年である。そして相手は……あれ?
「会長……、じゃない?」
「呼んだか?」
のしっ。突然頭の上から重量が掛かる。
あれ?
「……会長、なぜここに?」
数日後、下駄箱で呆然としているアイツを見つけた。
「…………何やっているんだ?」
その瞬間、彼は小さな手紙のようなものをギュッと手のひらで握り締める。それをくしゃくしゃにつぶして、苛ただしげにそれを床に捨てて、足で踏みつけた。
(ちょ……なんからしくねえな。なんなんだよ)