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寺地はるな『夜が暗いとはかぎらない』を読了。全15編が収録された連作短編集。特別に大きな幸せはそうそうなく、むしろ辛いことの方が多い世知辛い世の中。そんな中で、小さな安らぎや人との繋がりを再認識させてくれる、ほっこりと心に優しい作品が並ぶ。「グラニュー糖はきらきらひかる」が印象的。
松岡圭祐『イリュージョン 最終版』を読了。里見沙希vs椎橋彬のマジック対決が見られるのかと思いきや、沙希の出番は友情出演程度で拍子抜け。が、彬が万引きGメンとして活躍する様が面白く、15歳とは思えない自分プロデュース力が痛快。舛城刑事は甘い気がするけれど、彬の前途が開けていますように。
松岡圭祐『マジシャン 最終版』を読了。本書が3バージョン目になるけれど、過去の「マジシャン」は未読。事件の端々で使われるマジックが興味深く、知識が無ければ翻弄されてしまうのも分からなくはない。が、マジシャンの沙希や刑事・舛城、元詐欺師・飯倉に好感が持てるものの、真犯人は肩透かし。
ジョーン・リンジー『ピクニック・アット・ハンギングロック』を読了。正統派ゴシック小説。失踪事件によって歯車が狂っていく様が時に強引ではあるものの、1900年という時代設定と作品から醸し出される雰囲気で、些細なことはそれほど気にならない。ただゆっくりと、心を蝕む不穏さに身を任せるのみ。