ゼロモチベーション済東鉄腸 (Tettyo Saito)さんのイラストまとめ

"Alfa tau!"監督のFrancesco De Robertis フランチェスコ・デ・ロベルティス、プロパガンダの担い手、通俗的メロドラマ職人、マリオ・バーヴァ言うところの"真の天才"、ネオレアリズモの忘れられた始祖。この頗る毀誉褒貶ある映画作家の存在が、世界的にあまり知られていないというのは興味深い。

ロイド・ジョーンズ/大友りお「ミスター・ピップ」読みました。子供が語手の作品だと、作者が彼らの知性を舐める態度が出ると一気に陳腐になりますが(最近だと尾崎世界観「母影」とか)今作は心情描写が本当真摯で豊か、これが「大いなる遺産」の切実な語直しによって更に複雑に立ちあがる。良かった。

クラリッセ・リスペクトル/福嶋伸洋｢星の時｣読みました。｢G.Hの受難｣はゴキブリを起点に神への洞察へ突き抜ける強靭さが、その語り手には鬼気迫る明晰さがあった。ですが今作の語り手はどうだ、優柔不断に中身のない修辞を垂れ流す自分に酔う。“神様”という言葉の響き、何て軽薄な。くだらねえ。

Instrumenti / "Cilvēks"聞きました。2010年代から頭角を現し始めたラトビアの中堅バンドの2019年制作アルバム。ヒップホップ、スペースロック、エレクトロニカ。ジャンル越境的な響きとその開かれた可能性の感覚に心が躍らされる。題名の意は"人類"ですがそのスケールのデカさに決して負けぬ極彩。

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「クソ喰らえ、クローン病！」～コルネル・ブルダシュク賛
新しい文章を書きました。クローン病闘病記の最新話。今回は初めて絵画批評みたいなものを書きました。黙示録に包まれ蕩ける肉体を描く、ルーマニアの偉大な画家Cornel Brudașcuについて。彼の作品を知ってほしい！

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集まれ、あぶない看護婦たち！～めくるめくNurseploitationの世界
アーミテイジ関連でこちらも。君は「あぶない看護婦」を聞いたことがあるか？日本ではVHSバブルに消えるも70年代前半の米ジャンル映画界を語る重要作品！ということでシリーズ12000字徹底解説！という記事。

ルーマニア文学最新情報。ルーマニアの小説家は世界各地に散らばっていますが、例えばオランダにはいるのでしょうか。Mira Feticu ミラ・フェティクはルーマニアで小説家としてデビューしオランダ移住後は、2008年頃からオランダ語で小説を執筆。日本語からルーマニア語に鞍替えした私とは逆です。

Teistungさんが特に好きな作品は2018年に執筆された"Brev"("手紙")で、これは180ページ段落一切なしで孤独と恥について延々独白する長編小説で、まるでトーマス・ベルンハルトの小説のようだという評判。ソールスターとベルンハルトの小説に絶大な影響を受けた私のためにこそ存在するような小説では。

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お知らせです。毎度お馴染みルーマニアの文芸誌LiterNauticaに私の新作短編“Vârsta vântului”が掲載！1月6日、トランプ支持者に合衆国議会議事堂が襲撃されたニュースを聞いた直後に一気呵成に執筆、そのままルーマニア語に翻訳し、そして今日掲載、このスピード感に感謝。

“Süd dişinin ağrısı”観ました。2021年アゼルバイジャン映画1本目。母を裏切る父、母を忘れる兄、母を殺した自分、7歳の少年がショットガンで自殺を遂げるまでを描く凄まじい絶望の1作。罠にかかった鳥たちの死に狂喜する子供たち、灼き尽くされる母の想い出、この反出生主義の傑作は誰にも救えない。