河畑濤士さんのプロフィール画像

河畑濤士さんのイラストまとめ


サラリーマン。

フォロー数:1321 フォロワー数:1178

おそらく中村は絢爛舞踏章を受章したことで、不快な思いを多くしたことであろう。

0 5

さて。

……絢爛舞踏章とは、ろくな勲章ではない。

0 4

しかしながら28日の時点では、中村本人に受章内定の報せはなかったらしい。

この日も変わらず5121小隊は幻獣の間引きに撃って出ており、西合志戦区にて中型幻獣を多数撃破した上、逃げ惑う幻獣を追撃している。

0 4

一方その頃、5121小隊は師団命令に基づいて金峰戦区から転戦、球磨戦区への斬りこみを敢行。5121小隊は15を超える中型幻獣を一方的に撃破し、中村光弘は公式撃墜数を302まで伸ばした。

つまりこの日、これまで人類で4名しか手にしたことのない絢爛舞踏章の受章条件を、中村は満たした。

1 5

西合志戦区への敵増援を阻止するため、その後背の菊池戦区へ5121小隊が斬りこみを敢行し、多大な戦果を挙げたものの西合志戦区への増援は他方面からに渡り、これは焼け石に水であった。

0 5

「地に希望を、天に夢を取り戻す、銀の剣を持つ少年」

対する中村は、歌った。

「それは子供の頃に聞いた、誰もが笑うおとぎ話」

否、幻獣群に向かって叩きつけるように怒鳴った、というのが正しかろう。

0 4

だが記者らを集めた会見の途中、彼はその場を去った。

理由は単純。阿蘇特別戦区より多数の中型幻獣スキュラが飛び立った、という情報を得、これの撃滅に向かったためであった。

0 5

銀剣突撃徽章、二つ目の獲得を彼は決めた。

0 5

さて。その中村だが12日の戦闘は、彼にとって最も苦しい戦いの一つになった。

同小隊員の岩田が何者かにより嵌められ、整備士から戦車随伴歩兵に転科させられており、中村は彼を庇いながら戦わなければならなかったからである。

0 6

さて。この頃から中村光弘の行動は、常軌を逸し始める。

執拗に戦果を求め、圧倒的に不利な状況でも自分が立つ戦場に幻獣が残っている限り、後退しようとはしない。

何かに憑かれたか。彼は幻獣の首を求めはじめていた。

1 6