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皆殺し。
敵の先陣はスキュラ10体、ミノタウロス十数体。 対する5121小隊の稼働機は2号機単機のみ、しかも彼の有する火力は一昨日同様に一振りの大太刀のみである。 遅滞戦術を採るまでもない、交戦結果はすぐに明らかとなった。
「たいぎゃきつかぁ~」 中型幻獣スキュラ4体を含む16体撃破、これがこの日の中村の戦果であった。
さて、同日。5121小隊には幻獣軍に対する攻撃命令が下った。 その内容は「中型幻獣スキュラの係留地となっている阿蘇戦区に5121小隊のみを以て攻撃を仕掛け、スキュラによる絨毯爆撃を妨害せよ」というものである。
この日、中村光弘が駆る士魂号は単機で15体の中型幻獣を撃破した。
5121小隊担当教諭のこの言が正しいならば、郷土に立つ彼は無敵であった。
「えーもさいさい!」 この時、後退する友軍の中から突出し、逆に敵陣へ斬りかかったのは“もっこす”の人型戦車士魂号――そしてその御者は熊本生まれ、熊本育ちの中村光弘であった。
5121小隊が投入された球磨戦区防衛戦は、圧倒的不利の状況から始まった。 航空攻撃は地上戦の勝敗を必ずしも決するものではないが、だがしかし航空攻撃に晒される部隊の行動に大きく制限をかけることは事実だ。 そして球磨戦区に押し寄せた敵の陣容に、もう小型幻獣は存在しなかった。
4月5日、5121小隊2番機パイロット中村光弘は生徒会連合特別徽章を授与された。 生徒会連合特別徽章とは戦闘職種・後方職種に関わらず、業務に対して高い意欲を持ち、優れた成果を挙げた者に授与されるものである。
この対中型幻獣小隊の戦闘加入以降、戦いは終始優位に進み、最後には大勝といっていい戦果を彼らは収めた。 が、熊本市内には未だに多くの幻獣が潜伏しており、九州総軍は多くの戦力を熊本市に張りつけておくことを余儀なくされていた。