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製薬企業研究者からサイエンスライターに転身。大学や研究機関の広報などアカデミアにも片足を突っ込む。サイト「有機化学美術館」の中の人、折り紙と囲碁が趣味。著書に「医薬品クライシス」「炭素文明論」「ふしぎな国道」「世界史を変えた新素材」など。ライターとしての仕事→ x.gd/UEX7W
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合成繊維も種類はいろいろありますが、中でも最強の一角を占めるのがこのポリパラフェニレンテレフタラミド。あまりに長い名なので、「ケブラー」という商品名がつけられています。重さあたりの引張強度が鉄の5倍にも達する上、-200℃から160℃という広い範囲で強度を保ちます。

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「プラスチックの原料って石油なんですよ。意外にこれ知られてないんですけど」という環境大臣の発言が話題になっているようですが、世の中には石油が原料ではないプラスチックもあって、このポリ乳酸はその例。糖類の発酵によってできる乳酸を、長くつなぐことで作られます。

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C=O二重結合を持った化合物をケトンと呼びますが、そのケイ素版Si=Oはできるのか?この化合物はシリコン(silicon)とケトンの語尾-oneをつなげてシリコーン(silicone)と命名されましたが、実はSi=O結合は通常存在せず、SiとOが交互に長くつながった形になってしまいます。

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にょろにょろしたのが出てきました。アミノ酸がいくつか連結してできた「ペプチド」の一種、アンジオテンシンⅡ(AⅡ)です。この分子が血管の受容体に結びつくと、それに反応して血圧が上がる仕組みです。血圧に関わるホルモンはいくつかありますが、AⅡは最も重要な存在。

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今日はポリビニルアルコール(PVA)。長い炭素鎖に、一つおきにOH基が生えた構造です。OHがあるので水に溶けやすく、液体のりや洗濯のり、錠剤の製造などに広く用いられます。最近では、白血病の治療に用いられる造血幹細胞の培養に有用と判明するなど、用途を広げています。

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昨日のシアン化物イオン同様、一酸化炭素も金属元素に強く結びつき、錯体を作ります(図はニッケルに4分子のCOが結びついた錯体)。人間がCOを吸い込むと、血液中のヘモグロビンの鉄原子に対してCOが酸素の数百倍も強く結合するため、酸素運搬を妨害してしまいます。これがCOの毒性の原因です。

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唐辛子の辛味成分カプサイシン。唐辛子は中南米原産で、世界へ広がったのは大航海時代以降のことです。しかしその刺激的な味わいは各国で熱狂的に受け入れられ、世界の食文化を塗り替えて歴史にも大きな影響を与えました。しかし、なぜこうも辛いものが好まれるのでしょうか。

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こうした高分子を「ポリウレタン」といいます。一般にいう「ウレタン」はこのことで、マスクの材料です。合成の時に水を加えておくと、イソシアナートと一部反応して二酸化炭素ができます。これがポリウレタンの中に泡として残ったのが、スポンジ状のウレタンフォームです。なかなかややこしい。

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昨日、この世に一番多い有機化合物はセルロースだと書きましたが、2番めはこのキチンです。セルロースのOHが一ヶ所、NHCOCH₃(一部はNH₂)に変わった構造です。自然界には約1000億トン存在するといわれます。あまり聞いたことのないキチンが、どこにそんなにあるのでしょうか。

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今日はセルロース。昨日のアミロースと同様、グルコースがたくさんつながった構造ですが、つながり方が違っているため、こちらは全体として直線状です。このためヨウ素デンプン反応は起きません。長い鎖が水素結合で結びついて束になり、絡み合うので非常に丈夫な繊維になります。

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