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エドワード・A・ブラット監督作、Between Two Worlds (1944)を見る。接客係一人だけの不気味な客船に乗り合わせた十人に明かされる真実とは。早々にネタ割れするので怪しい空気が半減するのが難だが、JガーフィールドやSグリーンストリートら演技巧者のお陰で見応えあるトワイライトゾーン的ドラマに。
レジナルド・ル・ボーグ監督作、Weird Woman (1944)を見る。南洋の迷信を研究する教授が結婚、元恋人の嫉妬が迷信よりも恐ろしい心の闇を露呈する。南洋育ちの新妻が魔術を使って...と思わせて、実は周囲の誤解や嫉妬が主人公を追い詰めるサイコホラー。随所に小技が効いたインナーサンクタム第二弾。
エミリオ・フェルナンデス監督作、María Candelaria (1944)を見る。娼婦の子と蔑まれ村八分状態の女性が、恋人の農夫と共になんとか浮かぶ瀬を探すのだが。過酷な運命に信じる聖母さえも疑いかける純朴なヒロイン像が鮮烈で、名匠ガブリエル・フィゲロアの卓越した映像美と共に本作を神話的な高みに。
カール・テオドア・ドライヤー監督作、怒りの日 (1943)を見る。17世紀のデンマーク、魔女を焚刑にした司祭が自分の若き後妻と息子との不義を知り...。ホラーではないのだが、不貞の妻が単なる“情念の人”にも“魔女の化身”にも見える描き方が面白い。キリスト教世界の歪みを冷たく見つめた多義的な傑作。
ルー・ランダース監督作、吸血鬼蘇る (1943)を見る。杭を打ち抹殺したはずの吸血鬼が独軍の空襲を機に復活、真実を知る学者一家に魔の手を伸ばす。魔人が狼男を使役したり、空爆など当時ならではの背景も興味深い。ベラ・ルゴシ氏が気品ある吸血鬼役を再演するも、残念ながら最後のメジャー主演作に。
渡辺邦男監督作、決戰の大空へ (1943)を見る。海軍航空兵を目指す若者たちの予科練での厳しい訓練と彼らの憩いの場となる一家との交流を描く。皇軍の未来を担う若鷲たちの姿は清新だが、“ハワイ・マレー沖海戦”の前半部を引き延ばしたような印象。ヘタレな弟を叱咤する原節子嬢が模範的国民像を体現。
ロベール・ブレッソン監督作、罪の天使たち (1943)を見る。軋轢も辞さず罪びとの救済を天命と信じる若き尼僧が、殺人を犯し修道院に逃げ込んだ女性を前に...。人は如何に他者と手を携え救われ得るのかを問う名匠の処女長編。高踏的なようで主人公の美貌や犯罪場面の手さばきに凡夫にも分かる美がある。
ロイド・ベーコン監督作、北大西洋 (1943)を見る。Uボートに沈められた輸送船の生き残りが連合軍の大輸送船団に参加、再び冷酷な“海の狼”と対峙することに。ほぼ模型とセットによる戦闘場面にアーウィン・アレン並みの爆薬と火炎を投入、馬力ある演出によって戦意高揚映画として申し分のない出来栄え。
ヴィンセント・ミネリ監督作、キャビン イン ザ スカイ (1943)を見る。賭博狂の夫が借金の諍いで撃たれて死亡、敬虔な妻のお陰で天使と悪魔に出直しの機会を与えられるのだが。当時としては珍しいオール黒人キャストのミュージカルで、そのノリの良さは天下一品。ファンタジックなキリスト教的教訓劇。
ロイ・ウィリアム・ニール監督作、フランケンシュタインと狼男 (1943)を見る。悲劇の狼男が墓から復活、呪いを解くためフランケン博士が残した研究に望みを懸けるのだが。商魂逞しいユニバーサルが放つ2大ドル箱キャラ投入の死闘篇だが、序盤こそ雰囲気あるものの最後に底が抜けるある意味必見の迷作。