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『君の記憶に残る僕は、一体どんな奴だった?』
時々今にも泣きだしそうな顔で僕を見るよね。その理由を知りたいんだ。
ねえ、僕はそんなに何時も君を泣かせてばかりいたのかな?もしかして、相当にひどい奴だったの?だったらごめん、今謝るよ。
だからねえ教えてよ、君の知ってる僕の事!
「……ラッフルズ!?」
視覚の情報からやや遅れて頭が状況を理解する。思わずその名が口に出た。
(なぜ、貴方がここに居るの――!?)
ついこの前まで、彼は見張り塔に詰めていたのに。
一本道ではもう逃げ場も無い。身を隠すのも不自然だ。重い荷物を抱えた身体は後退ろうとして僅かにふらついた。
「美味しそうだね。僕も一つ貰おうかな」
聞き覚えのある声に思考は遮られた。ぼんやり眺めていた景色が途端に明瞭になる。視線が真っ先に捉えたのはパン屋の店先で女と談笑している彼の姿。もしかしてと思う間もなく答えは目の前。しかし、状況を呑み込むには暫しの間が必要だった――
「そう。だからこそ自力で此処まで来るべきなんだ彼は」
だから彼が空を思い出すその時まで、己の正体は極力明かしたくないのだ。
「……しかしこの調子では探し物もままならないな。領内に出た魔物を報告しない訳にもいかないし」
暫くは出控えようかと呟くと、心得たとばかりに竜は羽撃いた。
貧乏くじ担当その2、一行のリーダー。中庸かつ平凡で幸せな一般家庭出身の、所謂普通の人。努力家で真面目。人が良いのが仇になりがち。カエルにされたりゴリラになりかけたり色々苦労の多い人。アクの強い面子を纏めるならこういう人でなけりゃあというPLの強い拘りによって生まれた王道キャラです。
『やれやれ、やっと見張り番から解放されたと思ったら』
「今度は城下の見回りときたもんだ。上の連中、よっぽど我々に働いてもらいたくないらしい」
「……滅多な事を言うな。これも大事な仕事だ」
「勿論、判っているさ」
結局その”間”が君の本音なんだろう?
ああそうさ、判っているとも―
(キルギルとは全然違うのね)
使いの帰り道、ヨモギの葉を袋一杯に抱えながらさりげなく市井の様子を伺う。通りには露店が並び、行き交う人影には鎧姿も多かった。ブルグナからの侵攻を一手に引き受けるこの国は常に戦時下にあったが、人々は皆強かで逞しく、何処も活気が満ちている。
『この一週間、ずっと考えてたんだけど……』
「あの子、絶対僕のこと好きだろ」
「真面目な顔で何を言い出すんだお前は」
「真面目な話をしてるんだよ、僕は!」
隊の仲間と朝食を共にした日のこと。奴が突然妙な事を言い出した。場に居る全員が呆れた顔をするが意に介した様子も無く、話は続く――