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参加者達は各々、好きな席につく。もっとも、いずれ酒も入れば好きな場所へ移ったりもするのだが。
しばらくして、スポットライトが照らした壇上へ歩いてきたのはシュピネン・ズィルバだった。
長身痩躯の男は、壇上で話し始める。
「騒がしいっすね…泥棒っすか?」
物音を聞きつけた女性の声。
「あの自分は!」
ハルカは弁明しようと立ち上がる。
照明点灯。
「「あ…」」
ハルカは動けなくなってしまった。勿論、向こうも同様だった。
「た、ただいま…うわぁッ!?」
飛びつかれたハルカは彼女の柔らかい温度に安堵した。
「義父さんの話では…ほぼ100%月面だそうだ。もう下手な事では驚かないが突然、ワダツミは月面とパッチワークしたという事さ。元のワダツミが何処に行ったのかとんとわからん」
ルーカスは頭を掻いた。
「お腹の子が双子だって知った時は驚いたのに?」
「それはスマン。嬉しい半分、不安半分でな」
「よかったです…、本当によかったです」
右目からぼろぼろと涙を流しているユカリにイロハは笑いかけた。
「ね、ハンサムじゃないっしょ?」
「やさしい顔じゃないですか」
「いちゃついてる場合か。早く乗れよ」
そう言ってルーカスは2人をバルクキャリーの中へ引き込もうと手を伸ばした…
セイモンがイロハに渡したドライバーは元々彼用に作ったものではない。
ヘレナ・ストリウスが使うことを前提としたものである。
それも変身用ではない。身体からヴォイドを分離するための装置としてだ。
息子と過ごせるようヴォイドと分離する方法に彼は辿り着きつつあったということである。
「これは…」
そして、ルーカスのヴォイドタッチはひとりでに解除されてしまっていた。
いや、彼を覆っていたヴォイド組織が解け、海へ向かって流れていくのだ。
それは他の参加者のヴォイドも同様だった。
「ヴォイドが還っていく…」
自身の組織を与えた虚空戦姫にも、大きな変化があった。
何と、寄生させた自身の一部を介して、チャールズの記憶が流入、彼の中にあったイザベラの精神イメージの外殻を虚空戦姫はなぞり、取り込んでしまった。
彼女は「イザベラ」の亡霊としてチャールズと行動するようになっていた。
#虚無の叫び本編SS
彼はここへ流れ着いた際、虚空戦姫に命を救われた。
彼の肉体は次元境界の「光」に焼けただれ、地面を這うのも精一杯の状態であった。
虚空戦姫は…、そんな彼に興味を持ったか。自身の体組織を与えた。
つまり、自身のヴォイド組織をチャールズへ寄生させたのだ。
「だからやめとけって…、早くみんなのところ行けよ」
「VT!ブリングに続いてお前までもか…!」
「仕方ねぇだろ…。アンタ犯罪級に可愛い奥さんいるし…あの子泣かせたらきっと天罰下るぜ」