ノンマルトの末裔@読書さんのイラストまとめ

「サンドイッチって、誰にでもつくれるよね。だからわたしのサンドイッチも、ここでしか食べられないわけじゃない。いつかどこかで食べたもの、そんな誰かの記憶と少しだけつながって、いろんな思いをかきたてることがあって、それが、いいなあって思ったんだ」

　「語らいサンドイッチ」谷瑞恵

愛しているからこそ、まちがってしまう。踏みにじってしまう。押しつけてしまう。俺もまた美しく崇高なものこそが愛だと勘違いしていた。
ああ、そうか。とつぜん視界が開けた。
すべての愛は正しくない。正しい愛などというものは存在しない。この世のどこにも。

「正しい愛と理想の息子」寺地はるな

「そんなに恐がるくらいなら、こんなところ入らなきゃいいのに。好奇心、猫をも殺すって諺があるんだよ」
殺す。

　「さよなら願いごと」

『思うに、魂はきっと消えたりはしないのよ。人間たちのだけじゃない。魔女や使い魔の魂も。消えたように見えても、世界のどこかに溶けているだけなんだわ。会いたいと思えば、こうして会えるの。お盆じゃなくたってさあ』
……

「悩んでても、恥ずかしくても、自分のことを卑下したりしない。私はそういう女の人が撮りたいんだ。みんな真剣で、一生懸命で、自分の人生を生きてる。だから、みんな、私はただのおばさんです、なんて、言わないよ。……

「でも、最後の『自信を持ちなよ』というところが、好きでね。あれ、クジャクは、何に対して自信を持ちなと言ったんだと思う？」
「足ですよね。ダチョウの足は本当はきれいなんだよって」
「そうともとれるがね、私はこう思うんだ。『自分の選択に、自信を持ちなよ』とね」

「二人の推理は…(文字数)

どうしてだろう。ピアノを弾くさやこの周囲に、白い光の環が浮かんでいるような気がした。照明のせいだろうか。それとも、僕が勝手にイメージを膨らませているだけなのだろうか。

　「僕と彼女の左手」

楽であることを基礎に人と親しくなってもいいことを、私は齢二十二にしてようやく知った。
　友情とは、魂の繋がりとイコールではなかったのだ。

　「愉快な青春が最高の復讐！」

「逃げる、引き返すって判断は、時に現状維持の何倍も勇気が要るんだ。そこで逃げられないで、死んじゃう人もいる。ちゃんと逃げて生き延びた自分を、褒めなよ。少しは」
　「さいはての家」

早く認めてしまえばよいのに。私たちは同類だと。いや、きっと彼はわかっている。だが、「男」ゆえに、まだ諦めきれないのだ。人生に意味があると、この世界に自分は存在する意味があると、幼いころから信じようとしてきたのだから。
　「荒城に白百合ありて」