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ぽつぽつと杏奈が語ったのは、「正人への想い」であった。中学で好意を自覚して、遠巻きに何度もアピールしたが気付いてもらえず…このままではダメだと一念発起し、高校入学から数日後、勘違いしようのない言葉でもって告白をした。
その結果、フラれてもいいと覚悟を決めて…!
杏奈のそんな自信の無さそうな態度が盛生には引っかかった。彼女の性格なら、いまのを見て黙っているだろうか?いや…もっと言うとだ。
なんで杏奈は正人と付き合ってないのだ?仲の良さそうな二人で、さらに杏奈は正人にどうやら好意を持ってる。だが、二人は今も付き合っている様子はない。
正人がなんとなくモテそうなのを知っていた盛生ですら、いまの一連の流れはインパクトのある光景だったのだ。杏奈はこのことを知っていたのかと彼女の表情を伺う。
やはりというかなんというか…杏奈はどこか微妙な、影のある表情でそれを見送っていた。
それは先に帰宅したはずの正人であった。正人の両脇には学校でも可愛いと有名な(それこそ、杏奈並みに)女子生徒の姿がある。そんな三人が、通学路を和気あいあいと歩いて行った。
さて、人間の慣れというのは恐ろしい…こんな頭のおかしい状態が日常化したある日の放課後…
いつものように盛生が告白し、杏奈がそれに食い気味に断りをいれ、いつも通りどこか人気のない所を探そうとした時だった。二人の視界にとある人物が映った。
当初の目論見がどうであったにせよ、この奇妙のやり取りは「何故か」続いた。それこそ、盛生自身にも「杏奈に訴えられたら、そこで終わりだ」という自覚があったし、普通ならそれで終わっていたはず…が、
それが続くだけの「何か」が杏奈の中にあったのだろう?それだけは何となく察することができた
翌日…再び盛生は「杏奈に告白をした」。
普通なら考えられない頭のおかしな行動、どう考えてもマイナスにしか働かない愚かな行為……さすがの杏奈も戸惑いを隠せず、動揺している。
しかし、これでも盛生は至って真面目に考えて行動しているのである。