新宿中央コーエン兄弟さんのイラストまとめ

『不思議惑星キン・ザ・ザ』
ある地球人2人が、鬼の人種差別が蔓延る異星に飛ばされます。異星人はキュー(罵倒語)とクー(それ以外の表現全部)しか話さず、無限にマッチを所望。ずっとニヤニヤヘラヘラした世界のくせに地球を指し「あんな上下の区別のない星に住めるか」。皮肉バット頭蓋骨ブチ抜き映画

私「自分らがどうせめちゃくちゃ死ぬほど面白いのは大体わかってるけどまだ観たらへんからな。さ〜て7回目の『人生スイッチ』観よっと」

4作「うぐぐ…」

『マジカル・ガール』
余命幾許もない娘(日本アニメ:魔法少女ユキコが好き)のため富豪の妻(精神を病んでる)を強請る男と、体面を保つため黒い金を稼ぐ女。歪んだ感情が理性を変型させる様が極めて被虐・冷笑的に描かれます。タイトルから得る第一印象と内容は恐ろしく乖離。「つまり2+2は4なのだ」

『マグノリア』
ザ・群像劇。バラバラに垂れた何本もの登場人物の紐がいつの間にかあざなわれて1本の太い縄になっていく様は圧巻。そして完成しかけた縄を見たこともない反則トンデモ武器でブッタ切り展開。「偶然とは何か？」ちょっとキザなところも痛快。あまりに強すぎる布陣。

『ある子供』
給付金と盗みで生計を立てるブリュノとソニアのカップルに子供ができます。盗品を売りに行った先で人身売買について聞いたアホのブリュノは生後間もない子供を売ります。それを聞いたソニアは失神して入院します。その後も「何でそんなことになんねん」の最果てのような選択が続きます。

『ヤン・シュヴァンクマイエル短編集』
人間の食事を空虚で身侭で傲慢な活動のように描く(ように見える)『フード』、俎上の肉が限られた時間で自分や相手を愛する『肉片の恋』、独裁者の顔をメスで切って内臓をかき分けると新たな政治家の胸像(臍帯付き)が姿を現す『スターリン主義の死』など傑作8編。

チャーリーの件に触れることなく母子はお互い腹に一物抱えたまま過ごし、善意の父が現状打破のため食事の場を設けるも、それによってパンパンに膨れ上がった汚水入りの水風船に針を刺すがごとく緊張が破裂し、もう取り返しのつかない関係であることが可視化されるところ
#へレディタリーのここが好き

『悪い奴ほどよく眠る』
土地開発公団の汚職を暴くべく、濡れ衣を着せられ自殺した公団課長補佐の息子・西（三船敏郎）が復讐を企みます。父が自殺したビルを模して作った追い込みウエディングケーキに見るデペイズマン。あれだけ憎らしかった守山（志村喬）が軟禁された途端かわいくなります。

『赤ちゃん泥棒』
元強盗ニコラスケイジと警察官ホリーハンターが結婚。2人には子供が出来なかったため養子を貰おうとしますが夫に前科があるため却下されます。良心の呵責を抱えつつ富豪の5つ子のうち1人を誘拐し自分達の子として育てようとします。終始ドタバタコメディなのに虚を衝くメッセージ。

『幸福(しあわせ)』
妻と2人の子供がいる若い男が出張先の町で郵便局職員の女性と関係を持ちます。男に後ろ暗い気持ちはありません。妻は男を愛し、男も妻を愛しています。あるとき男は妻に対し、別に愛する女性がいるが、妻と女性どちらも大事にできると言ってのけます。敢えて淡々と物語が進みます。