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『私が貴方にこれから御伝えする情報とその物資の場所、この商品の価値を見定めてもらいのですよ』
「………」
罠の可能性もある
だが会話の中からみられる情報は、本星の運命にも関わってくるモノ…グレイソンの覚悟は決まる
「良いだろう、その商品買い取らせてもらう」
『お買い上げ感謝します』
『きかないんですよこれが…私の命は父上の計画の部品にしか過ぎませんので』
自分の息子の死なぞ興味ない
寧ろどうでも良いということ
ロイドの自嘲気味な会話から読み取れた
『所詮私は忌み子、居ないものと同じですよ』
「…本当に下らない」
『ですが、私も只で死ぬつもりはありません』
「物資?」
『はい、【我が父に関する弱み】となりうるモノとだけ言っておきましょう』
「弱み…」
『ええ、兄上達に壊されるくらいなら貴方に渡した方が有意義でしょうから…私の命がある内にその在処の情報を提供したかったのですよ』
「命…?先程の話が本当なら大佐、アンタの命の保証は…」
「…下らない、実に下らない」
『でしょ、我が父ながらやることが小さい』
対照的な反応だが感想は同じだった
「…百歩譲ってこれが事実としましょう大佐、まさかと思うが情報と引き換えに身柄の安全を保証して欲しいとか仰るつもりで?」
『いえ、ある物資を引き取ってもらいたいのですよ』
「既成事実…」
『実績を作ることで会議の主導権を握ろうとしてるのですよ、私を殺した後、地球連合及びマクシオンを退けベーゼン派によって膠着していた地球侵攻を打開したんだっていう、ね』
「エグザマクスを運用する惑星2つを相手に手柄をたてたベーゼン家は一気に注目の的になる」
『その通り』
『ええ、実はその会議でベーゼン家は全てを失いかねない事態に陥ってましてね?』
「統制支配権の剥奪の事か」
『はい、苛烈極まる統制を敷いてきたツケが今になって回ってきましてね?』
「それと今回の一件とどういう繋がりがある?」
『簡単な話です…『実績』を残す為の既成事実を作るためです』
「ベーゼン家の…存続?」
『中佐、本星で現在協議されている支配惑星への支配構想の見直しが行われている事はご存知でしょうか?』
「アストレアⅢの事か?」
アストレアⅢ
第三次惑星統制会議。バイロンがこれまで支配してきた惑星に対する支配統制の見直し及び取り締まりを行う会議の話である
『はい、全ては我が父バルトフェルト=ベーゼンによる崇高なる意思によって計画されたものなのです』
「崇高なる、ね…実に下らない話だ」
嘘か真かは解らない
だが、これが事実ならかなり問題のある話だ
『まぁ、ベーゼン家の存続の為とはいえ強引なやり方なのは否めませんがね?』
『私が民間都市で活動を起こさせる頃位から父上の命令で息の懸かった艦隊に召集命令が事前に下されているはずです』
その話を聞きオルガに視線を向けると意図を理解し礼をするとオルガは部屋から退室する
「つまりこれまでの一件は全て、ベーゼン派による自作自演だった…とでも言いたいのか?」
「…なんだって?」
『X台地戦後、父上の息がかかっている将校を通じて今回の計画を企てるよう命令されたのですよ』
「…それを立証する術は?」
『現に私の存在が明らかになってすぐに父上が艦隊を率いて此方に来たではありませんか』
騙りである可能性があるかもしれない、だが思い当たる節もあった