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『デリシュ!』
ほのぼの料理映画と思いきや、絶対王政時代の庶民と貴族の絶望的な分断がメインで、傲慢な貴族に噴飯やるかたなく、踏み躙られる下々の民の姿はやるせない。革命に至るまでの憤りを物語に重ね見事に料理する。世界初のレストランは一部の美食家の為ではなく庶民に向けて作られたのだ
『L.A.コールドケース』
97年に起きた未解決の大物ラッパー殺人事件の真相を追うジャーナリストと元刑事のドラマ。情報量の多さで着いていくのも難しいが、着地点は何とか理解出来、やるせなさだけが残る… ジョニー・デップの繊細な芝居は見どころだが、普通人が逆に珍しいキャリアは皮肉にも感じる
『劇場版 Gのレコンギスタ IV 激闘に叫ぶ愛』
大量の固有名詞が飛び交い、富野節の独り言の応酬と感情のジェットコースターは、情緒不安定にしか見えないし、何も分からないまま追い続けている。吉田健一のキャラデザが好きで、画を見ているだけで満足なのもあるが… それでも次回で完結なのは寂しい
『マインド・ゲーム』
湯浅政明のデビュー作にして代表作。魅力を言葉で伝えるのが難しいほどのエネルギーに満ち溢れ、かなり前衛的だが高いエンタメ性も感じさせる作劇は流石の一言。そして騒々しい物語に浮かび上がる、様々な「生」を肯定するメッセージに心打たれる。圧倒的イマジネーションの傑作
『キングダム2 遥かなる大地へ』
邦画としては予算をかけているので、それなりのスケール感は出ているが、似た場面が多い『バーブバリ』と比べるとやはり辛い。漫画チックな台詞回しなので喋ると一気に冷めてしまう。そして出演時間に関わらず、芝居の巧拙が浮き彫りに… 近接戦闘の完成度だけは良い
『神々の山嶺』
さながら動くバンド・デシネといった趣。日本の描写は見事だが、吹き替え洋画を見ているような違和感も少し。駆け足で進む事もあり、原作漫画の「間」の上手さと言えばいいのか、背中で語る様な迫力は伝わらず。それでも種々の描写(高山病の場面は凄い)と山々の美しさ、過酷さは必見
『生きててよかった』
闘いに憑かれた元ボクサーの生きざま。主役の当て書きのせいか、幼馴染たちと明らかに年齢が異なるのは違和感。神は細部に宿る… 本筋より周囲のドラマの方が面白く、肉体の完成度と暴力の生々しさは感心するが、格闘場面はそれ程燃えず。そして最後にやっと物語の意味に気付く
『不都合な理想の夫婦』
野心に取り憑かれた男とその家族の崩壊。中盤まで淡々と進むので眠くなるが、次第に加速するJ・ロウの最低人間ぶりは見事。彼の「何不自由さくさせている」は世のモラハラ夫の定番フレーズだろう。大きいだけで寒々しい豪邸と息子の悲痛な表情が全てを物語っているかのようだ
『オールド・ボーイ』
あまりに悲惨な復讐譚だがユーモアさえ漂う高度な映像センスが魅力の傑作韓国映画。劇伴と台詞がとにかく秀逸。本編でも携帯の着メロで流れる曲を自分の携帯の着メロにしていたのも懐かしい。横スクロールワンカット長回し乱闘は伝説。”笑う時は世界と一緒、泣く時はおまえ一人”