//=time() ?>
『パン焼き魔法のモーナ、街を救う』を読んだ。
パンを焼く魔法しか使えないモーナが、運命と自分の能力が合致し、立身するお気楽な物語……ではない!
話は暗く、国難にお鉢が回ったのが偶然自分というだけ。むしろ大人は何をしてるのか。人は選ばれし者になるべきじゃない、といった反・英雄の物語
『ラベンダーとソプラノ』を読んだ。
金賞獲得の重圧で崩壊寸前の合唱クラブを舞台に、多様な切り口で主人公に新たな居場所や視点を提示していく。この一連の流れが、合唱という題材と上手く合致している。
作中には様々な香りが印象的に挿入されており、瑞々しい心情を想起させるに一役買っている
『グレイッシュ』を読んだ。
DVをふるう父。祖母と母と私の確執。側にいてくれる教師と友人達。蛹から孵る蝶。
様々な場面が重なって色相となり、命の色を映し出す(挿画も非常に抽象的)。
母には誇りの奪還を、父には家父権からの降任を。それぞれ緩やかに示されるのは、現代的な温情かもしれない。
『四つ子ぐらし(12)』を読んだ。
表紙の通り、ミカ&ういな回。サブキャラ推しにはたまらない。
今回の話は罪悪感が鍵で、それが誰かを想うが故のものなのか、自らの保身のために表出したものなのかで、大きく末路が変わる。
解決した過去の事件の余波を丁寧に描くのは、横綱相撲の余裕を感じる。
『ちいさな宇宙の扉のまえで』を読んだ。
『糸子の体重計』の十年越しの続編。
これ単体でも読めますが、復習は必須かと。
糸子のペースすら乱す新キャラの登場や、坂巻まみが町田良子への恋心をついに自覚する展開など、連作短編を用いて人と人との距離感を炙り出す構成は、十年を経て冴え渡ってます