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あなたのことを
そんなに好きじゃなくなった
びっくりするほど冷たい態度
にこにこ笑顔をつくるのも
いい加減に限界だよ
きっとそろそろ
たしかめないとならないね
いつまでもこのままじゃ
よくないって分かってるから
「LINE気づいた。ごめん、俺何かしでかした?」
「縦読みしながら悔い改めてね」
「『転生しても君を愛してそばにいる』なんて言っときながら、半年で目移りだよ。同じ台詞はこれで2度目。最初の彼は病気で死んじゃったんだ。立ち直るのに3年かかり、ようやく誰かを好きになれたのに。って、ごめん、あなたに言っても仕方ないね」
泣けない僕は代わりに小さく「ニャー」と鳴いた。
「高校選び、しくじった」
「マジ? ウチを勧めた俺にも責任あるな」
「お兄ちゃん、同級生に彼女いたんだ」
「あれ、知らなかったっけ?」
「聞いてない。毎日一緒の登下校、見るのがしんどい」
「年下の幼なじみが何言ってんの」
「あれ、知らなかったっけ?」
「何を?」
「お兄ちゃんへの片思い」
商業誌に連載中の恋愛漫画。作家を目指す主人公を、恋人と別れさせるかどうかで結末を迷う。半分自伝。10年前、養えないと思い詰め、僕は彼女に別れを告げた。2案のネームに腕を組む。アシスタントは「破局一択」と笑ってる。「続編でその後を描けば? 5年後に再会し、妻兼アシになりました、って」
「遅れるぞ」。今朝も彼が迎えに来る。慌てて制服の上着を羽織る。自転車に立ち乗りすると、彼の背中が目に入る。大きくなったね。深まる秋を頰に感じ、私は少し涙ぐむ。「どうした?」。なんでもないよと微笑んで、やっぱり黙っていようと思う。幼なじみのまま、さよならだ。父の転勤まであとひと月。
「別にあんたのためだけじゃないんだから」。体育祭の昼休み。幼なじみがお握り二つ持ってきた。これが夢見たツンってやつか! デレはまだかと構えると「ママに会ったらお礼言って」。何だおばさんお手製か。帰りしな、振り向かぬまま彼女は言う。「それとママから伝言です。『娘を生涯よろしくね』」
我が儘な彼女に振り回され、幼なじみが弱ってる。久々に2人で帰る道すがら、無理に明るく振る舞う彼に「私の前だぞ。泣けばいいよ」と言い聞かせた。私にもたれ、嗚咽しながら「お前が恋人だったらな」と彼が言う。優しくハグし、私は囁く。「それで失恋したら泣けないよ。今はまだ大事にとっときな」
部活を終えた帰り道、くしゅんとくしゃみが出た。「風邪?」。先輩が私を見る。平気ですと笑みを返すと、厚手のパーカーを差し出された。「いいから着て帰れ」。小さく頷き、頭と両手をくぐらせる。その時私は気づいてしまう。部活が一緒の親友と、同じシャンプーの残り香に。この片思いは終わらない。