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「まさか君がボディーガードとはな、カイエル」
「...ジャック指令を後方にまわして正解でした。まさか貴方が穏健派のVIPだったとは、ヒルス大佐...今は大将でしたね」
「私は穏健派の中でも中立だよ。上も複雑でね、そう簡単に”売星奴”共に甘い汁は吸わせないのだよ」
#30MMSGEP2エピローグ その4
<数時間前>
トーリスに輸送機を囲いバイロン、マクシオンのEXMが近づいてくる。カイエルと地球連合軍陣営のVIPは輸送機から各代表の到着を待っていた。
だが空気は最悪だった。地球連合軍VIPはカイエルの元上司。カイエル達を月面で見殺しにした張本人だったのだ。
「...」キョロキョロ
「...女の子?」
休憩室に行く途中、人の出入りが少ない倉庫に入っていく人影を目撃する。
...金髪の少女だ。この基地の連中にも似つかない上品な容姿の。
周囲を見渡し、何か脅えたような表情で急いで倉庫の中に入っていく...
「なんだ...?確かあそこって...」
END
今まではこんなのを見ても何も思わなかった。関心が無かった。他人事だと思っていた。だが今は...違う。
”あの事件”以来。俺は...強くなりたいって思ったんだ。たとえそれが傲慢で、自分勝手な理想だとしても...
「...入隊したら強くなれるかな?そして奴らを...ん?」
地球連合軍のバイトはただの雑用だけどそれでも地球の為に戦う彼らの役に立てている。
そう考えるのも悪くない。
...だが。まだ自分にできることがあるんじゃないかと考えてしまう。未熟で只のガキだとしても、俺は強くなりたい。
もう”あんなこと”にはなりたくない。だから...
「ん?これは...」
「今日はやけに賑やかですね。何かあったんですか?」
「俺も良くわからないんだがさっき結構重要な荷物が運ばれたとか?まぁ俺達には縁がないだろうさ」
「...俺、飲み物買ってきます!」
「あ、ならついでにお茶買ってきてくれよ。後で払うからさ」
「了解です!」
「...本当にさっさと地球から出て行ってほしいですよね。バイロンも...マクシオンも」
「そうだな。だが勇敢な地球連合軍の戦士達が奴らを叩きのめしてこの地球から追い出してくれるさ!俺達もその手伝いをしてると考えるとこのバイトも悪くないだろ?」
「そう、ですね...」
「そうか~だがそれは今地球連合軍が勝っている今だからだな...重要都市が落とされた時なんて経済が落ち込んで結果的に減給。それが続く地獄でそりゃもう...」
「...職も、安全な場所も、命さえ奪っていきますからね。”奴ら”は」
「だな。侵略戦争なんて起こす連中の気が知れねぇよ」
「ユウキ。今日も良い働きっぷりだな!」
「はい!これくらいは余裕ですよ!体力には自信あるので!」
「そうかい!そういえば給料はもらったか?」
「そりゃもう!...流石地球連合軍ですね。今までで一番良い給料ですよ」
ここでの俺(バイト)の役割は主に雑用だ。
基地内の掃除に給仕の手伝いや物資運搬。塹壕堀など色々やっている。
疲れるけど雑用も慣れたし担当員の対応も良くて色々と親切に教えてくれるからストレスは感じない。
ここで働き始めて1週間。軍人の怖い視線を感じることは多いけど不安はあまりない。