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斜線堂有紀『回樹』読了
SF設定を借りて様々な愛の形を描いた短編集
映画に別れを告げる「BTTF葬送」は再読ながら映画好きの身としてはやはりグッときます。また、百合がテーマの姉妹編「回樹」「回祭」や愛する者の死体が生前の姿を維持し続ける「永遠」などに立ちこめる濃厚な死の匂いも印象的。
バットマン リターンズ (1992)
極悪人ながら深い哀しみを背負った怪人・ペンギンのキャラが秀逸。その最期は切なさに満ちた名シーンです。また、彼が率いるサーカス団も敵としてユニークですし、漆黒のコスチュームを纏ってムチで闘うキャットウーマンもかっこいい。個人的に1番好きなバットマン。
連城三紀彦『黒真珠-恋愛推理レアコレクション』読了
連城三紀彦没後10年の節目に単行本未収録作品のなかから短編7編と掌編7編の計14編をセレクト。とはいえ、残り物の寄せ集め感は微塵もありません。ミステリ作家と恋愛小説家という2つの顔が高いレベルで調和した見事な作品集に仕上がっています。
軽井沢シンドロームSPROUT/たがみよしひさ(2002ー2006)
相沢耕平(前作主人公)の息子・相沢薫平を主役に据えた次世代ストーリーです。しかし、読んでいて楽しかったのは前作キャラの登場シーンばかりで新キャラには今ひとつ魅力を感じられず。後半に入ると絵の乱れが目立つのも気になります。
乾くるみ『ハートフル・ラブ』読了
いうほどハートフルではない全7編の短編集。著者らしい企みに満ちた作品が揃えられているものの、話が少々まわりくどいのが難。そのなかにあって、先の展開が気になる時間逆行もの『夫の余命』と、切れ味鋭いショートショート『なんて素敵な握手会』が秀逸。
加納朋子『螺旋階段のアリス』再 読了
脱サラ中年探偵と押しかけ美少女助手が謎に挑む連作ミステリー
ミステリとしては小粒ですが、ハードボイルドに憧れる仁木とワケあり少女・安梨沙のコンビが微笑ましく、キャラクター小説としてよくできています。ビターな事件を描きつつも、読後感はさわやか。
三浦晴海『屍介護』再 読了
”山奥の屋敷で屍にしかみえない人間を介護”という時点で不穏さMAXです。その後、さまざまな出来事によってヒロインが精神的に追い詰められていくさまはホラー小説としてよくできています。ただ、最後に明かされる恐怖の正体に安っぽさを感じてしまったのが個人的に残念。
雨穴「変な絵」読了
1枚の間取り図から恐ろしい仮説が次々に飛び出すYoutube版『変な家』と比べると畳み掛けるようなサスペンスには欠けます。しかし、9枚の絵にそれぞれ秘密が隠されており、やがて、すべてがひとつに繋がっていく展開は安定の面白さです。ただ、山の絵の謎解きは無理があるような。
岩木一麻『がん消滅の罠 完全寛解の謎』再 読了
末期癌で余命宣告を受けた患者が次々と完治していく不可思議な謎に否応なく引き込まれていきました。癌についての解説も分かりやすく、専門的な話でもサクサクと読める点も好印象です。一方で、後半に描かれる犯人との対決は個人的に今ひとつ。