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乙一『暗いところで待ち合わせ』再 読了
殺人容疑の青年が盲目の女性が暮らす家に逃げ込み…
ミステリとして特筆すべき点はないものの、ボーイミーツガールものとして秀逸。盲目の女性が青年の存在に気付き、惹かれ合っていく過程が繊細なタッチで描かれており、読むほどに切なさがこみ上げてきます
倉知淳『大雑把かつあやふやな怪盗の予告状 警察庁特殊例外事案専従捜査課事件ファイル』読了
捜査権限のない名探偵に活躍してもらうべく警察庁が随行員を派遣するという設定がユニーク。収録作3篇はいずれも奇妙な犯行の意図を探るホワイダニットが秀逸で、特にドタバタ劇を絡めた表題作が最高です。
連城三紀彦『黒真珠-恋愛推理レアコレクション』読了
連城三紀彦没後10年の節目に単行本未収録作品のなかから短編7編と掌編7編の計14編をセレクト。とはいえ、残り物の寄せ集め感は微塵もありません。ミステリ作家と恋愛小説家という2つの顔が高いレベルで調和した見事な作品集に仕上がっています。
島田荘司『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』再 読了
英国留学中にホームズと出会い、怪事件に巻き込まれる夏目漱石。
漱石から見たホームズが最高に狂っていて笑えます。そんなホームズを名探偵として描くワトソン視点との食い違いも面白い。そのうえ、ラストが感動的なパスティーシュ作品の傑作です。
青柳碧人『名探偵の生まれる夜 大正謎百景』読了
大正時代の偉人たちが奇妙な事件や謎に遭遇する全八篇
ミステリとしてはそれほど凝ったものではありませんが、若き江戸川乱歩の迷走っぷりが楽しい「カリーの香る探偵譚」をはじめとして史実との絡め方が巧みで味わい深い作品集に仕上がっています。
化石の記憶/たがみよしひさ(1985ー1987)
7000万年前の地層から発見された人類の化石という魅力的な謎にサスペンス・伝奇・恐竜・時間SFなど、さまざまな要素が絡まり合い、話を盛り上げていきます。「軽井沢シンドローム」と並ぶ著者の最高傑作です。ただ、ラストが消化不良気味なのが惜しいところ
軽井沢シンドロームSPROUT/たがみよしひさ(2002ー2006)
相沢耕平(前作主人公)の息子・相沢薫平を主役に据えた次世代ストーリーです。しかし、読んでいて楽しかったのは前作キャラの登場シーンばかりで新キャラには今ひとつ魅力を感じられず。後半に入ると絵の乱れが目立つのも気になります。
乾くるみ『ハートフル・ラブ』読了
いうほどハートフルではない全7編の短編集。著者らしい企みに満ちた作品が揃えられているものの、話が少々まわりくどいのが難。そのなかにあって、先の展開が気になる時間逆行もの『夫の余命』と、切れ味鋭いショートショート『なんて素敵な握手会』が秀逸。
紅いコーリャン(1987)
第38回ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作品
コーリャン畑や夕焼けなど、赤に彩られた映像が鮮烈で、ユーモアを交えて神話的に語られる人々の営みにも心引かれるものがあります。それだけに、後半描かれる日本軍の描写がよくある反日映画の域を出ていないのが少々残念。
周藤 蓮『バイオスフィア不動産』読了
住宅内ですべてが完結するバイオスフィアの普及によって人類のほとんどが引きこもりと化してしまう。そんな終末感溢れる世界で住居のクレーム処理を行うという設定がユニークです。クレーム内容もバラエティに富んでおり、風変わりな終末SFとして読み応えあり。