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柴田勝家『走馬灯のセトリは考えておいて』読了
著者十八番の民俗学やバーチャルなテーマを扱ったSF短編集
戦国転生ラノベ風の「姫日記」が最高。滅茶苦茶な展開と思わぬオチは抱腹絶倒です。また、『ポストコロナのSF』 に収録された「オンライン福男」も架空のイベントをユーモラスに描いた傑作。
光文社文庫編集部・編『Jミステリー2022 FALL』 読了
春に出たSPRINGと比べると楽しい作品が多いのが印象的。特に、資産家の老女の家に次々と詐欺師が現れる新川帆立の『詐欺師だヨ!全員集合』と映像研の自主製作映画がポンコツすぎる斜線堂有紀の『作為改変のコンティニュイティ』がお気に入りです
加納朋子『螺旋階段のアリス』再 読了
脱サラ中年探偵と押しかけ美少女助手が謎に挑む連作ミステリー
ミステリとしては小粒ですが、ハードボイルドに憧れる仁木とワケあり少女・安梨沙のコンビが微笑ましく、キャラクター小説としてよくできています。ビターな事件を描きつつも、読後感はさわやか。
三浦晴海『屍介護』再 読了
”山奥の屋敷で屍にしかみえない人間を介護”という時点で不穏さMAXです。その後、さまざまな出来事によってヒロインが精神的に追い詰められていくさまはホラー小説としてよくできています。ただ、最後に明かされる恐怖の正体に安っぽさを感じてしまったのが個人的に残念。
雨穴「変な絵」読了
1枚の間取り図から恐ろしい仮説が次々に飛び出すYoutube版『変な家』と比べると畳み掛けるようなサスペンスには欠けます。しかし、9枚の絵にそれぞれ秘密が隠されており、やがて、すべてがひとつに繋がっていく展開は安定の面白さです。ただ、山の絵の謎解きは無理があるような。
モーリス・ルブラン『ルパン対ホームズ』再 読了
『金髪の美女』と『ユダヤのランプ』の2篇を収録した1908年発表の作品。英仏2大ヒーローの対決には心躍るものがあり、数々のサービス的演出で楽しませてくれます。ただ、作品自体はやや凡庸でルパンに対する贔屓が透けて見える点もいただけません。
岩木一麻『がん消滅の罠 完全寛解の謎』再 読了
末期癌で余命宣告を受けた患者が次々と完治していく不可思議な謎に否応なく引き込まれていきました。癌についての解説も分かりやすく、専門的な話でもサクサクと読める点も好印象です。一方で、後半に描かれる犯人との対決は個人的に今ひとつ。
P・D・ジェイムズ『女には向かない職業』再 読了
探偵業を営むことになった22歳の娘がひたむきに頑張る話で、重厚な作風で知られる著者としては相当な異色作。事件の謎は小粒ながらも後半からのハードボイルド的展開は読み応えあり。特に、意外な人物の登場と泣けるシーンを用意したラストが秀逸
織守きょうや『悲鳴だけ聞こえない』 読了
5話収録の木村&高塚弁護士シリーズ第3弾
帯の煽りから『花束は毒』のようなどんでん返し系かと思ったらそんなことはなく、意外な結末といえるのは表題作くらい。地味な作風ながら法に関して勉強になることも多く、リーガルミステリーとしては標準的な面白さ