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たかしまてつをさんのイラストまとめ


画家/イラストレーター。酒を飲み、猫を愛で、ギターの練習をしたり、そして絵を描く、わりと静かに楽しい毎日を過ごす者です <´ `
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【47】それまで幸い本格的な喧嘩には巻き込まれてこなかったが、ジェフと友達だったせいか、いつの間にか「あいつは空手ができる」みたいな根も葉もないデタラメが浸透していて、都合が良かったのでぼくも否定していなかったために、クラスでもそう信じられていた。

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【45】リンとクラスの女子数人が止めに入ってくれたが、スペイシーはリンも泥水に放り込んだ。やっと女子の一人が先生を連れてきてぼくは医務室に運ばれた。そのままその日は家に帰ることになったが、親にはタイヤ跳びから落ちたと話した。それもルールのひとつだった。

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【44】タイヤ跳びは女子はやってもよかったが、男子は六年生の縄張りとされていた。そこにぼくが踏み込んだので、いきなりロドリゲスの子分で六年生のスペイシーに放り投げられた。泥水の中に落下したぼくをスペイシーは何か叫びながら蹴りまくった。

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【43】一年の大半が過ぎた頃、ぼくはきっと少し調子に乗っていたのだと思う。――やってはいけないことをやってしまった。前述の美少女のリンたちがタイヤ跳びで遊んでいて、「一緒に遊ばないか」と誘われて、喜んでジェフに注意されたことを忘れてしまった。

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【41】「日本人か?」と聞かれて驚いた。何しろ基地の中では日本語を聞くことはまずなかった。向こうも同じらしく、互いに日本語で話せるのが楽しかった。それでおじさんがこっそりラーメンを食べさせてくれるようになって、そのラーメンを友達と分けて食べた。

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【39】皮肉にもジェフが不良グループに入ったため、ジェフと仲が良かったぼくの地位は校内で一気に上がった。それで上級生とも遊べるようになって、昼休みに屋上に登ったり、スケートボードを貸してもらったりするようになった。中でも楽しかったのはラーメンの屋台だ。

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【38】ジェフはそのあとも荒れて、不良グループに入っていった。段々話さなくなったが、それでもたまに昼休み、一緒に遊んだ。いつもカップヌードルはサッカーのボールにしていたので、ジェフが何を食べていたのかをぼくは知らない。ただ、前のように笑わなくなっていた。

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【37】そんなジェフは初めて見たので驚いた。あとになって聞いた噂では、ジェフは父親の連れ子で義母からずいぶん虐げられていたらしい。どのくらい本当かは分からないが、結構ひどい噂だった。ジェフだけが最初に声をかけてくれた理由がその頃になって分かった気がした。

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【36】食堂のテーブルをひっくり返して、ジェフは医務室に連れて行かれた。三日の謹慎処分になったジェフの見舞いに医務室に行くと、ジェフはまだ泣いていた。「おまえのお袋は弁当作ってくれていいな。うらやましいな」ジェフはそう言っていつまでもぐすぐす泣いていた。

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【35】そんなジェフがある日、急に食堂で泣き出した。いきなりカップヌードルを壁にたたきつけて叫んだのだ。「あのクソビッチが! いつも同じもん入れやがって!」そう言って、泣きながらヌードルの箱を踏みつぶした。「おれのことなんか愛してないんだ!」

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