//=time() ?>
ここでユングは、サムソンやヘーラクレースは戦うとき“武器をもたない”ことにとくに注意を促す。
「英雄には武器がない。かれは自分みずからと戦うのだからである」(註156)。
「力」札の解釈に対する有力な示唆であるが、ニコルズの解釈は、いかにも女性的。
アイスキュロス『エウメニデス』では、アポッローンはガイア、テミス、ポイベー〔「輝ける女」の意〕に次ぐ4代目の、しかも神託所を力で奪った預言者にすぎなかった。ガイアの意思を語るΠύθωνに対し「ゼウスの意思を語るのがアポロンである」(『占いと神託』)。
「世界神話学」によれば、かつて(約2億年前)の2つの大陸において、古層ゴンドワナ型神話と新層ローラシア型神話との2つのグループに分かれるという。ローラシア大陸はその後、さらに分裂していき、ユーラシア大陸と北アメリカ大陸が形成されたとする。
ここからグレイヴズは、”Πελασγοίの創世神話なるものを再現してみせた。それによると──初めにΕὐρυνόμηがひとり混沌のうえで踊っていた(「世界」札を想起せよ!)。すると旋風が起こり、南に向かって踊り続ける女神の後ろに、旋風は北風(Βορέας)なってまとわりついた。
この黒い鴉(太陽の表象)左図が、ウェイト版ではペリカン(イエス・キリストの表象(右上図)。『ピュシオロゴス』第4話。左図)になっていることは既に指摘した。
右下図は『ピュシオロゴス』「ペリカン」の1例。
「タロットとは別に、異端のグノーシス派が西方で密かに力を持っていた分野が二つあった。占星術と錬金術だ」(ベッグ『黒い聖母崇拝の博物誌』)。
これらの両性具有は、2つながら、錬金術の重要な表象となる。
他方では、一角の馬のように「インドにおいてこのような観念が生み出され、それが西方と中国とに伝播していった」(訳書p.153)と整合性がなく、この錯綜を解きほぐすことは難しい。
このうち④「一角の馬」というのは、アラコシアの太守の使節として、マウリヤ朝チャンドラグプタの宮廷に派遣されたメガステネース(前350頃〜290没)が伝えたインド事情に出てくるκαρτάζωνοςのことである(断片13b)。https://t.co/jVdQxdBh52
が、信仰薄い我々が、合成獣の怪異さの方に心惹かれるのはやむをえない。
とはいえ、さすがに「アリ-ライオンμυρμηκολέων」(ヨブ記4:11では単にライオンの1種なのだが)の方は表象が難しかったのか(右図)、まともな想像図は伝存していないことは既述した。
次にマニリウスが不具宮として挙げるものは、「天蝎は鋏をもたない。天秤がそれを呑みこんだのだ。金牛は一本の脚は曲がって、体躯を支えきれない。巨蟹は盲目。人馬は片眼。このようにして、天空は私たちが出会う不幸を慰め、辛抱強く耐えるよう、身をもって教えているのだ」。