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「ええ、大佐ならそう仰りそうだな、と」
「そうですね、あの子なら言いそうです…ふふ、ならロイドがこれ以上悪さをしないように守ってもらうのも悪くないかもしれませんね」
空は晴れる
日の光が柔らかく大地を照らしていく
「警護、受け入れて下さいますか?」
監視ではなく警護と言う
「はい」
「だから私を監視を…」
「ええ…貴女の身に何かあったら、大佐がまたテロを起こす可能性もありますからね…『私の母親になるだろう女性を殺めたのです…覚悟してくださいね?』とか言ってね」
頭をかいて冗談っぽく答える
「…ふふふ、今のロイドの真似ですか?」
物真似にカトレシアは微笑む
「監視…」
「ええ、これには大佐との接触の可能性もあるからというのもあるのですが…貴女の命を狙いに来る者もいるかもしれない、という理由もあります」
事実大佐絡みであらゆる勢力が蠢いてる報告があった
となれば、関係者であるカトレシアは絶好の標的となるだろう
警護目的の監視も必要だろう
その話を聞いた上でグレイソンは答えを出す
「貴女を本国への連行は致しません」
「では、どうするのです?」
「現状、貴女は大佐と繋がりが深い人物です」
そう切り返すグレイソンは言葉を続ける
「貴女に接触しようとする為に大佐はここに訪れるでしょう…なので、貴女には数名監視をつけます」
『もし本国に送還となった場合…間違いなく彼女は裁判にかかるでしょう』
『ロイドの肉親ってのもあるが…不法入国罪といった罪状までつくだろうな…』
『いくら不可抗力とはいえ、いまのバイロンに外惑星出身者の存在証明や安全保障は未だ不完全です…』
本国の情勢を理解がある二人の意見は絶望的だ
窓の外で風が吹く
「…私の事…どうするつもりですか?」
カトレシアが先端を開く
先程までの空気から冷たいものに変わる
「少なくとも大佐の関係者という事で何かしらの処置は取られるでしょう」
「私を…あの星に連れ戻す事もありえる、ですね…?」
冷たい空気はまた吹き込む
通信機に繋がる
「自分が原因で私が苦しい思いをしてしまったんだっていう罪悪感…言葉の節々にそんな思いを感じたんです」
言葉のなかに潜む感情を聞き逃さなかった彼女なりの確信
それは、短くも長く傍らにいた彼女だからこそ解るものだったのだろう、とグレイソンは考える
「それも含めて叱りたかったな…」
気が付けば雨は過ぎ去り
雨雲は消えていた
「それが最後の連絡だったんですね?」
「はい…」
「確認ですが…大佐が自分の本当の息子だと確信があったのですか?」
「最初は解りませんでした…でもあの子と過ごす内に気付いたんです…あの子なりの気配りと、後ろめたさを…」
「後ろめたさ?」
「待って」
『…なんでしょう?』
切ろうとした通信を呼び止める
「母親として認められてないけど…早いかもしれないけど…言わせて…」
『何を…ですか…?』
伝えたい言葉をつぐむ為に気持ちを整える
「『行ってらっしゃい』ロイド」
『っ⁉️……『行ってきます』母さん』
それを最後に通信は切れる