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『ウテナ』ネタと言えば『終末少女幻想アリスマチック』(2006:引用画像)と『悪女装』(2014)。影絵少女があったり、制服デザインが同じだったり。特に前者はそれのみならず日本剣術から西洋魔術(オカルト)から神道からクトゥルーまで大量に盛り込んだ、アダルトゲーム史上、最大級の怪作にして名作。
いずれにせよ、AVGの画面は――SLGその他のゲーム画面と同様に――記号的コラージュの空間と解するのが最も適切であるように思う。先述の『Forest』を制作したLiar-softは、『漆黒のシャルノス』(2008)では「大背景+小背景+全身立ち絵+バストアップ立ち絵」の4種を組み合わせている。
作品コンセプトと画面構成の関連という観点では、ソフトハウスキャラの『LEVEL JUSTICE』(2003)に、めざましくも鮮やかな挑戦が見出される。本作の背景画像は、水平アングルではなく、しばしば極端な仰角や大きな俯瞰で描かれる。引用画像3枚目に至っては、ビル街の垂直構図である。
主人公の視界を模した場合も、あくまで擬似的なものと捉えるべきだろう。例えば『とらぶる@すぱいらる』(2011)には主人公が下着を被るシーンがある(画像)が、実際に被ったならばこのような視界にはならない。さらに、明確に主人公の視界ではない形状を取る場合もある(画像3枚目)。
そもそもAVGの画面は、立ち絵や背景画像の間に写実志向の整合性を持つ必要は無いし、実際にもそのような整合性はほとんど見出されない。背景画像単体として見ても、例えば身長170cm前後のアイレベル(目の高さ)に合わせた作画にはなっていない。画像は『鬼ごっこ!』『ヨスガノソラ』。
ここでは、立ち絵がスクリプトで振り回されることは乏しい。ただ正面に立って、堂々と向き合うキャラクターとして画面上に居合わせ続ける。アダルトゲーム分野に限らず、10年代のオタク系美少女アートの洗練の上にある手法だ(※引用画像は『アイカギ[2017]、『ずっと前から女子でした』[2018])。
2) ポージング。正面素立ち以外では、背面立ち絵が大きい。00年代前半までのような「その都度柔軟に作られる立ち絵素材」が成立しにくい状況では、背面立ち絵は汎用性を維持しつつ「個性があり」「用途が明確」であり、選ばれやすいのだろう。「背面立ち絵」記事参照( https://t.co/vyfeSCmm3P )。
上品できれいでハイクオリティな学園ものの世界では、立ち絵もデリケートに造形されて美麗高精細に彩られる。2004年までの、なんでもありの野卑でゲリラ的な表現空間ではなくなった。画像は『六ツ星きらり』(2004)、『ですめた』(2004)、『しすたぁエンジェル』(2002)、『Maple Colors』(2003)。
そうした中で、立ち絵も簡素な塗りのままではなく、それ自体が入念に作画され、丁寧に着彩されるべき画像素材になっていく(※ちなみに背景画像も、この頃から飛躍的に品質向上した。例えば、美峰や草薙が00年代前半から背景制作に関わるようになっていた。『南国ドミニオン』[2005]の背景は美峰)。
例示は『Maple Colors』(2003)、『きゃんきゃんバニープルミエール』(1996)、『Magistr Temple』(2003)、『らくえん』(2004)。現在の目で見ると、かなり意外なシーンにも専用CGが用意されている。