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親しい者がひとり死ぬと苗木をひともと植える
それが彼女の始めた新しい死者への懇ろな挨拶
死者たちは日日成長をもって彼女に答える
花を咲かせ実を結び落ちて新たな芽生えとなる
高橋睦郎 「死者たちの庭」
庭はまた、鎮魂の場である。
マンドレイク、ナス科の植物。その根が人型に育つものがあるため、根を引き抜くと悲鳴をあげると伝えられ、悲鳴を耳にした者は狂い死ぬという。実際にその根は幻覚を伴う強い毒性を持つ。
草木は自身の種子を残すことができると光合成を止め枯れることを選ぶ。それは次の世代のために自身の内に残ったエネルギーを放出する、つまり枯れることによって、土壌を豊かにするという選択。腐った老人になるより、枯れた年寄を僕も目指そうと思う。
野に咲く花は自らの受粉を仲介する虫達が好む色に咲く。しかし花屋に並ぶ花は人がその花の持つ色を人の好みに合わせて変えられたものたち。彼らは野に戻ることは出来ない。
英語で「花」を表す言葉として「flower 」が一般的にすぐ思い浮かぶが、他にも「bloom 」観賞植物の花を表す言葉や「blossom 」果実の花を意味する言葉がある。それらの言葉はすべてラテン語の「flos」から派生した言葉。