//=time() ?>
小説を読むとは、文字を通し、登場人物の記憶にアクセスすることと同義です。
では、螢一を通し、他者の記憶を読んでいるとき、果たして主体はどこにあるのでしょう。ここにおいて、読者と螢一は物語を追う側としてイコールで結ばれます。
『キャンドル』を読んだ。
快活な女装男子・翔真を親友に持つ螢一は、幼い頃に母と死別したことで、ある種の諦念を抱えていた。そんな彼はある日、見知らぬ少女の感情が脳裏に甦るという怪奇現象に悩まされることになる――
冷笑的態度に敢然と立ち向かう”決意”を描いた作品。
『新米占い師はそこそこ当てる』を読んだ。
真相の輪郭だけ伝えられた状態から、解釈を繰り返して核心に迫る構造はよい。占いを妖精からの託宣という形にして、ビジュアライズする発想もかわいい。
ただ、占いに気安く手を出すものではないという意識が遠回りしてやや冗長。もっと面白くなれそう。
『14歳、明日の時間割』を読んだ。
時間割を題材にし、科目に対応した物語を描く短編集。
文章は安定してるものの、新鮮味があまりなく、デビュー作の焼き直しでは…?と感じる瞬間もある。
が、章をまたいで登場する人物を出し、多面的に見せるギミックはよい。
なんかこの作者、さくらももこみたい
「彼女の中の絵」
絵を描く技術はあるのに頭に絵が思い浮かばない男と、頭に絵が思い浮かぶのに絵を描く技術がない女の出会い。創作とは。
「虫の眠り」
美結は虫に刺された。ボールペンで。その真相は藪の中。
「サメの話」
不自由な女の話。
「水槽を出たサメ」
自由なサメの話。
『with you』を読んだ。
好きになった人はヤングケアラーでした――
この社会問題を深く取り扱いながら、中学生の恋愛物語としても成立している。
主人公の中学男子なりの浅慮さ、欲望の生々しさも描き、なおのこと等身大で出来る事を模索していく姿勢は、とても地に足が着いているように思えた。
『わたしたちの家は、ちょっとへんです』を読んだ。
支配的な祖母に抑圧されてる杏奈。祖母に遠慮している優子。奔放な母と異父妹に振り回される志乃。異なる事情を抱える三人の友情物語。
中盤によりハードな環境をサバイブした人物を置き、三人を不幸舐め合いに終始させず、堅実に前を向かせている
『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』を読んだ。
TikTokで激バズりしてる本。出版関係者、その宣伝の発想は無かったと歯噛みしてるんじゃなかろか。
内容は、終戦間際にタイムスリップした少女が特攻隊員と恋に落ちる話。これ系、もはや逆に新鮮なのかな。
問題は、所々に危うい描写があり…