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戸森しるこ作品、基本的には刊行順に全作追ってほしいけど、あえて勧めるなら
『理科準備室のヴィーナス』
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『トリコロールをさがして』
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『十一月のマーブル』
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『ぼくたちのリアル』
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『レインボールームのエマ』
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『ゆかいな床井くん』
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『ぼくの、ミギ』
これはめちゃくちゃ悩む…
『サード・プレイス』を読んだ。
家でも学校でもない、第三の場所。そこに居場所を求める四人の物語。それぞれが主体性や視点の拡大を獲得する様は心地よい。
反面、既メンバーが新規参加者にちょっとかまいすぎかな、というきらいもあり。孤独を孤独のままにさせてくれないんだよね。
まとめると、今年の戸森しるこ作品の動きは
単行本が
『トリコロールをさがして』
『すし屋のすてきな春原さん』
アンソロジー掲載が
『クロエドール』
『協力者B』
令和3年度版「現代の国語2」掲載が
『セミロングホームルーム』
(出版は来年だけど、三省堂のHPで読めます)
『四つ子ぐらし・6』を読んだ。
湊に告白するという杏の決意を聞いて、揺れ動く三風の心。果たして、この気持ちの正体はなんなのか――
ときに辛く、ときに切なく、ときに弾むような、恋とも友情ともつかない、名前のない「強い感情」について描いた話。なるほど、ここでそう来たか~という感じ。
『あやしの保健室』を読んだ。
保健室の妖乃先生に相談すれば、どんな悩みでも解決してくれる。ただし、あなたの心と引き換えに――
不思議アイテムで子供を誑かす、保険医版の喪黒福造かと思わせて、なんやかんやで子供の助けになる偽悪ちっくなヒーローになっているところがよい
あと何より絵が好き…
『君たちは今が世界』を読んだ。
――皆さんは、どうせ、たいした大人にはなれない。
小学生が子供ゆえに持つ全能感を、ていねいに解体していく物語。あまりに辛すぎて、一部の文章はちょっと本から目を離して読んでしまった…。
ただ、エピローグでいくらか救われる形になっているのがありがたい
全体として『あの花』的な話。空想、というワードの集大成ともいえる終盤のシーンは確かに派手派手なんだけども……この作品の惹句、
”ラスト16ページの「奇跡」を、あなたは体験する。青春ミステリの最新形。”
は、ちょっと品が無さすぎる気がするな……
『空想クラブ』を読んだ。
見たい景色を視る<能力>を持つ駿の前に、死んでしまった幼馴染が現れる。彼女の死の謎を探るため、かつての友人達と再びよりを戻す駿。その謎の究明が、永遠の別れになる予感を感じながら――
優しい世界の中のリアルな暴力の退場のさせ方が雑だな、と思った。終盤が豪奢。