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まとめると、今年の戸森しるこ作品の動きは
単行本が
『トリコロールをさがして』
『すし屋のすてきな春原さん』
アンソロジー掲載が
『クロエドール』
『協力者B』
令和3年度版「現代の国語2」掲載が
『セミロングホームルーム』
(出版は来年だけど、三省堂のHPで読めます)
『四つ子ぐらし・6』を読んだ。
湊に告白するという杏の決意を聞いて、揺れ動く三風の心。果たして、この気持ちの正体はなんなのか――
ときに辛く、ときに切なく、ときに弾むような、恋とも友情ともつかない、名前のない「強い感情」について描いた話。なるほど、ここでそう来たか~という感じ。
『あやしの保健室』を読んだ。
保健室の妖乃先生に相談すれば、どんな悩みでも解決してくれる。ただし、あなたの心と引き換えに――
不思議アイテムで子供を誑かす、保険医版の喪黒福造かと思わせて、なんやかんやで子供の助けになる偽悪ちっくなヒーローになっているところがよい
あと何より絵が好き…
『君たちは今が世界』を読んだ。
――皆さんは、どうせ、たいした大人にはなれない。
小学生が子供ゆえに持つ全能感を、ていねいに解体していく物語。あまりに辛すぎて、一部の文章はちょっと本から目を離して読んでしまった…。
ただ、エピローグでいくらか救われる形になっているのがありがたい
全体として『あの花』的な話。空想、というワードの集大成ともいえる終盤のシーンは確かに派手派手なんだけども……この作品の惹句、
”ラスト16ページの「奇跡」を、あなたは体験する。青春ミステリの最新形。”
は、ちょっと品が無さすぎる気がするな……
『空想クラブ』を読んだ。
見たい景色を視る<能力>を持つ駿の前に、死んでしまった幼馴染が現れる。彼女の死の謎を探るため、かつての友人達と再びよりを戻す駿。その謎の究明が、永遠の別れになる予感を感じながら――
優しい世界の中のリアルな暴力の退場のさせ方が雑だな、と思った。終盤が豪奢。
『ハジメテヒラク』を読んだ。
こまつあやこの二作目。
前作はマレーシアからの帰国子女が短歌に挑む話、今作は実況癖のある少女が生け花に挑む話。奇異な取り合わせが続くが、異郷にて他者を知り自分と向き合う、という基本は変わっていない。
静的な生け花を実況でショー化する発想も面白い。
『四つ子ぐらし・5上』を読んだ。
前巻に引き続き、二鳥主役回。
初恋の人がアイドルデビュー、という華々しい導入から、まさかの人違いという目まぐるしい展開は飽きさせない。
また、因縁の相手が実母でないことが発覚するなど、メインの話も大きく動く。見開きの挿絵演出は見栄えがありますね。
『四つ子ぐらし・3』を読んだ。
四つ子まわりの諸々の紹介がひと段落して、学校生活にフォーカスが当たった今作。
登場人物が増えて恋愛模様が動き出す予感もあり、角川つばさ文庫らしい(?)百合な空気が漂い始めた感じもありの、いろいろ重要な一本。
『メニメニハート』を読んだ。
入れ替わりモノ。といっても入れ替わるのは人格ではなく、性格。軽薄で自由人なサギノと、地味で堅物なマジ子は、互いに過剰なり欠落なりした部分を交換した結果、なんと友達になります。
やがて交換が行きすぎ、自我が曖昧になった二人が元に戻るためにしたこととは…