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『崖の下の魔法使い』を読んだ。
吉野万理子流の皮肉に満ちた物語だった『想い出あずかります』の続編(ただし繋がりは薄く、登場人物の年齢も下がっている)。
思い出を換金する魔法使いと子供たちの交流が描かれる。記憶と現在の距離が近い子供なりの騒動、折り合いのつけ方は、前作よりマイルド。
『檸檬先生』を読んだ。
これ…「綺麗なおねーさんが、”少年”って呼びかけてくる」系の話だ! ここまで真正面にやられると、一周回って清々しい。
文章自体は密度があり、華美に過ぎるところもあるんだけど、そういう部分と呼称の軽薄さがちぐはぐに感じられる…が、その齟齬にも一応意味はある。
『チーム七不思議はじめます!』を読んだ。
第10回みらい文庫大賞優秀賞作家の作品(受賞作ではなく新作)。
怪談モノだが、イケメンや美少女が複数登場するにぎやかな物語。そこを、主人公のピアノのエピソードが引き締める。
受賞作の講評にあった盛り込みすぎという欠点を改善したのだと思われます
『てがでかこちゃん』を読んだ。
でかこちゃんは左手がでかい。
手がでかくてよかったことはたくさんある。パンをこねられるし、飴をたくさんもてるし、猫も守れる。
でも、ただ手がでかいだけなのに、でかこちゃんを変だと言う人たちがいる。
そんな人たちに、でかこちゃんは、でかこちゃんは……
…そしてこれは余談。
実は本作中に、漫画家の道満晴明の作品と丸かぶりしているものがあります。
正直、発想としてそこまで突飛でないため、意図せず似通ってしまった、と見るのが妥当でしょう。
むしろ、道満晴明とにかいどう青は似た感性を持っている、と認識して読み進めるのが良いかもしれません
『名物かき氷!復活大作戦』を読んだ。
ちゅうでん児童文学賞優秀賞受賞作。
店主高齢のため閉店した名物かき氷屋に、俊は勢いで弟子入りを志願する。
綿密な取材により、滋賀の魅力を前面に打ち出している(お店も実在のものがモチーフ)。登場する関西弁も不自然じゃないし、地元民の強さを感じる。
『恋とポテトとクリスマス』を読んだ。
最終巻。
シリーズを通し、恋愛(自分の心との向き合い方)とアルバイト(社会との関わり方)の二軸を一貫し、成長譚として上手くまとめ上げられている。全三巻という構成も手ごろでとてもいい。
これはEバーガーってお店のリアリティが屋台骨を支えていますね
『恋とポテトと文化祭』を読んだ。
当シリーズは非常に可読性が高くスイスイ読めるのが特徴で、本巻ではキッチンの仕事、テスト、文化祭とイベントが盛り沢山なのに息苦しくなく、さらにそれらが立体的に絡み合いちゃんと意味を持っていくのがよいです。
特に給金の話題から逃げてないのが好感度高し
『恋とポテトと夏休み』を読んだ。
第45回日本児童文芸家協会賞受賞作。
恋×アルバイト×友情と、青春の詰合せのような作品。テーマは、接客業による成長と多面的な視座の獲得。
でも全然地味な展開ではなく、爽やかクズの先輩や、不愛想マジメ同級生など、王道男子の存在がときめきを盛り上げます。
『私の夫は冷凍庫に眠っている』を読んだ。
殺した夫が主人公の前に再び現れる筋書きだが、真相は超自然的なものではなく、展開としては平凡。
ただ、上昇婚を目指した女性の末路、DVの仕返しに人肉を食べさせる等、エグめのソープオペラとして受容されてるのだろうな、というのは想像に難くない。