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昨秋に同級生から告白された。勉強も運動もできる人気者。何で私なのかと戸惑って、しばらく答えを留保した。ずっと待つよと彼は言う。「いいヤツじゃん」。相談した幼なじみはそう笑った。私は決める。3か月も待たせたけれど、彼にYESと伝えよう。一番近くの相手には、ちっとも想いが届かないから。
彼が街路樹を見上げてる。「ごめん、ちょっと考え事してた」。笑って詫びる彼に気づかぬふりで、笑顔を返す。3年前、彼は大事な人を失った。彼女は私の親友だった。思い出も含めて彼を丸ごと愛してるけど、やっぱり春は少し切ない。街が薄紅色に染まり始める。天国で、サクラは元気に過ごしてるかな。
同じ部活の彼に恋していた。言えぬまま、卒業を迎える。彼の進学先は東京だ。部のパーティーの帰り道、お酒のケーキで酔ったふりして彼におぶわれる。黙ったままで別れよう。そう決めたのに、大きな背のぬくもりに想いが溢れる。送ってもらった自宅前。私は最後の勇気を奮う。「遠距離はダメですか?」
同性に口づけされた。卒業旅行の温泉宿。親友だと思っていた女友達に告られた。濡れた唇をそっと離し、潤んだ瞳で見つめられる。次は私からキスをした。無自覚だった自分の中の同性愛。とろける思いでそのまま布団に倒れこむ。柔らかなぬくもりを感じつつ、私は思う。世間の「常識」からも卒業しよう。
幼かったとしみじみ思う。高校時代、彼女がほかの男子と会話するのに嫉妬して、一方的に距離を置いた。あれから5年。同窓会で彼女と再会する。変わらぬ笑顔で、拍子抜けするほど普通に話してくれた。2人きりの帰り道、夜のベンチで酔いを覚ます。きちんと詫びて、伝えよう。ずっと好きだったんだと。
5年ぶりの同窓会。久々に高校時代の彼と再会した。2人の帰り道、夜のベンチで酔いを覚ます。初めてつき合い2年半。青春の全てが彼だ。思い出が次々と甦り、つい饒舌になってしまう。「もうやめよう」。ぽつりと彼が呟いた。ごめん、終わった恋だね。「昔話はやめにして、未来の話にできないかな?」
「お前の助言で告白できた」。腐れ縁の男友達がはしゃいでる。1週間前、片思いの後輩への打ち明け方を相談された。よかったね、と笑う私の顔を彼が見る。「……泣いてるの?」。ううん、花粉症。「目が真っ赤だぜ」。だから、花粉症だよ。「そうだったけ?」。あんたのせいで、7日前に発症したんだ。
バイト先の菓子店に彼がやってきた。大学で出会って仲良くなり、そのまま友だちから抜け出せない。バレンタインも義理を装いチョコを渡した。「ホワイトデーに本命を返すんだけど」と相談される。そういう相手がいるんだね。無理やり笑い、相手の好みを聞いてみる。「お前が好きなのどんなスイーツ?」
結局、電車は動かなかった。夜、歩きで10キロ先の自宅を目指す。「同じ方向だな」。職場の先輩が笑いかけてくれた。3月の寒い道。地震のこと、仕事のこと、自分のこと。取り留めなく会話しながら、心細くていつしか先輩の手を握ってた。あれから10年。家族になった先輩は、変わらず私を支えてくれる。
密かに期待していたバレンタインは空振りだった。仲良しのクラスの女子。甘いものに無関心だとは聞いてたけど、義理チョコすらも貰えなかった。高校生活もあと1年。このまま片思いだと悔やみそうだ。気のない素振りで僕は彼女に訊いてみる。「ホワイトデーに男子から本命スイーツあげるのありかな?」