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告白してきたのは彼だった。まあいいか、ぐらいの気持ちで応じたものの、今では不覚なぐらい好きでいる。悟られるのが癪だから、ついキツめの当たりをしてしまう。「お前、ツンデレだったんだ」。彼に笑顔で見抜かれて、顔を真っ赤にしながら反論する。ツンだけでデレはないでしょ!? ……もう、馬鹿。
高校でまた幼なじみが告られた。お前、その気がないのに無分別に世話焼くな。「違うよ。相談に乗ってただけ」。そういうのが男をその気にさせるんだ。「お、離婚の危機か?」。茶化す同級生を睨みつける。誰がこんな危なっかしいの嫁にするか。仕方ない。古なじみのよしみだぞ。なるべく僕の横にいろ。
「お金がない」。幼なじみの彼がぼやく。まず携帯代を見直して、買い食いもやめなさい。「17歳だぞ。腹が減る」。お握り一個ぐらいなら毎朝ついでに握ってあげる。「お、新春から夫婦喧嘩?」。ほら、あんたがだらしないから同級生に妙な誤解をされるんだ。仕方ない。制服のネクタイだけ直してあげる。
年明けに夢を見た。彼女とは同棲7年。気が楽で、このままでもいいかと思ってたけど、無意識ではそうでもないらしい。「どんな初夢? 一富士二鷹三茄子?」。結婚を切り出さない、彼女の笑顔がいじらしい。あのさ、そろそろ籍を入れようか。見た夢は、僕と彼女と手を繋ぐ、2人によく似た一姫二太郎。
勇気を奮って初詣に誘い出す。高校の一つ下の女の子。多分想いはバレてるだろう。でも、仲良くしすぎて告白するのが気恥ずかしい。境内で、温かいお酒が振る舞われている。正月だし、アルコールの勢いって手もあるか。紙コップに口をつけながら、隣の彼女を盗み見る。「先輩、温まりますね、この甘酒」
高校の先輩に初詣へと誘われた。帰りがけ、「俺の彼女になってほしい」と打ち明けられる。好意は感じていたけれど、言ってくれないだろうと諦めていた。「境内の振る舞い酒の勢い借りた」。先輩が赤面する。私もいただきました。先輩、知っていますか? アルコール、入っていないんですよ、甘酒には。
年明けに仕事を休み通院する。最近、体が重く、「食べ過ぎだ」と夫にもたしなめられた。結婚3年。年末年始、確かに少し油断した。「ご主人のせいでもありますね」と医師が言う。冬休み、食べ歩きに連れまわされた。私だけの責任じゃないですよね? 「パパとママの責任です。おめでとう、2か月です」
新年最初の勤務を終えて帰宅した。仕事を休んだ妻がソファーでダレている。結婚3年。お正月はもう終わり。お前、最近太ってない? 「あなたのせい」と彼女が笑う。一緒に飲み食いしたけれど、頑張って僕は体重維持しているぞ。「頑張るのはこれからよ。今日病院に行ってきた。今年パパになるみたい」
ちょっと離れて見ているだけで、結局去年は言えなかった。高校の同じクラスの男の子。照れ臭く、彼の前ではつい道化てしまう。新しい1年が始まった。今年こそ、まずは意識してもらうんだ。そろそろ七草粥の日が来るね。知っている? 私と同じ名前の「なずな」の花言葉。「あなたにすべてを捧げます」
年明けの高校で、クラスの女子に質問される。「セリ、御形、ハコベラ、仏の座、鈴菜、スズシロ……もう一つは?」。七草粥か、知らねえよ。なぜか時々視線が合う、黙っていれば美少女の、不思議ちゃん。「検索してね。今年はいっぱい使うだろうから」。何だそれ。知ってるなら教えろよ。なあ、なずな。