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誘われて同窓会を彼と抜け出す。10年前の高校時代、3年憧れ続けてた。終えた後、彼に涙を拭われる。「ごめん、あの頃応えられなくて」。囁かれ、無言で首を左右に振った。卒業後、私は垢抜けたくさんモテた。だから涙の理由は違うんだ。彼に抱かれて喜べない。大切な初恋が色褪せたことに泣いている。
演劇部の同級生が女優になった。高校時代、僕は脚本、彼女は芝居に夢中だった。「私は夢を果たしたよ。君も脚本賞を必ず取って」。何度も挑み、選に漏れる。今やしがない勤め人だ。「人生の脚本は意外過ぎたね」とお腹の大きな妻が笑う。そうだな。お前が雑誌に撮られたのも、その相手が僕だったのも。
「ドラマ見た」と彼が呟く。チョイ役だけど台詞だってあったでしょ? 「マジで女優になったんだ」。高校時代は演劇部。私は芝居、彼は脚本を担当してた。プロになったら何でも言うこと聞くって言ったよね? 「……学生だから金ねえぞ」。いらない。いつかまた「共演」したい。必ず取って、脚本賞を。
高校の先輩に映画館へと誘われた。私服のネクタイ姿が格好いい。「出がけに幼なじみにチェックされた」と苦笑している。先輩、今日はいつにも増して彼女の話が多めです。さあ、そろそろ帰りましょう。幸いでした。先輩が、私に告る半歩手前で自分の本音に気がついて。打ち明けられ、私が頷くその前で。
高校の可愛い後輩が、映画の誘いに応じてくれた。ファッションに自信がなく、幼なじみを家に呼び出す。「合格点。ハンカチ持った?」。あ、忘れた。「学生証は?」。やば、学割きかなくなるとこだった。「曲がったネクタイ直すから」。嫁気取りかよ。「早めに帰ってきなさいね」。……ああ、そうする。
「あんたの会社の新人ちゃん、私の部下の元カノらしいよ」。居酒屋で取引先の彼女が囁く。昨日、僕が連れ出して、彼女と部下に挨拶させた。緊張してたの、そういうことか。やりにくいなら担当変えるぞ。「いいよ。仕事に私情交えなければ」。相変わらずだな。僕は私情も交えてほしいんだけど。元嫁に。
イケメンの係長に客先へと連れていかれる。やり手と噂の綺麗な主査が「うちの新人も紹介するわ」と男子を呼んだ。震えつつ名刺を交換し合う。帰りがけ「緊張してたね。でもじき慣れるよ」と係長に笑われた。だといいですが、と言葉を濁す。驚きました。彼女の部下、美人に弱い大学時代の元カレでした。
「結婚半年前倒し?」と彼が戸惑う。お互い親にも挨拶し、先日同棲し始めた。「やることリスト」に従って、彼は着々準備をしている。「段取りもあるからさ。予定通り1年後でいいだろう?」。その几帳面さは好ましい。だったら夜も段取り踏んでよね。「どういう意味さ?」。ママになる前、挙式したい❤
同棲中の彼女が苛立ってる。「結婚式、半年早くできないかな」。何だよ今さら。「お互い親にも挨拶済みだし」。その上で1年後にしたんだろ? 「出た、段取りお化け」。……ああ、そうか。ピリピリしてるの、あの日のせいか。「違うよ、馬鹿」。だったら何だよ? 「……あの日がこないせいだって❤」