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ミレー《角笛を吹く牛飼い》 38.1x27.9cm、1850年代中頃以降の作(図1)。倍の大きさで荒い水墨画のタッチのような1872年頃の作がメトロポリタン美術館にある(図2)。一方この作は牛、少年とも愛らしく日本人好みの小品。サザビーズhttps://t.co/F9aq9ng7c4から日本の画商を経て山梨県立美術館が購入。
山種美術館「水を描く 広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお」展 水や火など不定形なモチーフは水墨画が生まれて自在に描けるようになった。水の場合東アジアの湿潤な自然の象徴として豊かな展開がある。納涼の企画だが本質的な面も。山元春挙を調べている外国教授を案内して。図は川端龍子鳴門など
「琉球 美の宝庫」展の風流 沖縄美ら島財団蔵《琉球美人図》六曲一双屏風は女性が鄭嘉訓の書と対となり雅俗一体の格調高い世界を作る。6人は右からおよそ身分の順に並ぶ。第5扇の質素な美人は「琴書全雅道,蘭桂起香風」と対になり女性の精神の美を喩えてもいるようだ。(合成図は粗だが参考に添付)
日中友好会館美術館「景徳鎮明清官窯復刻展」展 現代の景徳鎮で作られた倣官窯の磁器約100点。景徳鎮市人民政府主催なので現代景徳鎮の水準がわかる。100点はできにばらつきがあるが総じて標準的。官窯の偽物には現代の倣製もある。より精巧にし古色が出れば鑑定は難しくなるだろう。12日まで、無料。
西洋美術館「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」 月曜夜特別展観、理想的な環境。ベラスケス7点。輝かしい《王太子バルタサール・カルロス騎馬像》の明と《バリェーカスの少年》の暗が大展示室のあちらとこちらに向かい合う。リベーラ《聖ペテロの解放》の実力。ヤンブリューゲル父の花の発色!
川越市立美術館「小村雪岱 ―「雪岱調」のできるまで」展 終了日に滑り込み。大正昭和前期の初版本や多数の挿絵に肉筆作品がまじる。鈴木春信美人画の大正モダン風復古、抽象化された様式美。しかしそこには雨や雪や水、風にゆれる柳、落葉など感覚的な自然の気配。図は《見立寒山拾得》《おせん 傘》
Bunkamuraザ・ミュージアム「ルドルフ2世の驚異の世界展」 フーフナーヘルの毛虫のいる細密画などマニアックな皇帝のマニアックな展示。とはいえヤン・ブリューゲル父とサーフェリーの美しい花束。サーフェリーは13点も出品されている。森や風景。動物の楽園は百年を経て若冲の屏風につながるよう。
三井記念美術館「国宝雪松図と花鳥 美術館でバードウオッチング」展 沈南蘋1750年花鳥動物図6幅のうち芥子の花や藤色の花大根など郎世寧の西洋折衷画を想わせる。宮廷の流行が民間にも及んだのだろう。狩野栄信四季山水図4幅の遠近法、渡辺始興の真写図巻、土佐光起の鶉の極細密描写等の江戸の写生。
2017年のベスト展 なんといっても東博「運慶展」。川村記念美術館「ヴォルス」展、行けなかった京博「海北友松展」、企画はよかったサントリー美術館「狩野元信」展。雪村、吉田博、萬鉄五郎、不染鉄、アルチンボルド、ミュシャの回顧展。バベルの塔展。ボストン美の宋画、泉屋と静嘉堂の明清絵画展。
山種美術館「川合玉堂―四季・人々・自然―」展 4年ぶりの回顧展。世界の高みに精神を遊ばせた浦上玉堂に対し川合玉堂は晩年奥多摩の自然にとどまった。68歳《彩雨》、71歳《山雨一過》などコローやロココをも想わせ清新な慈愛に満ちている。奇想が好まれる時代ほどこうした中庸さを大切にしたい。