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今日の『老子』。(道教第五十一章 私訳)

道によって万物は生まれ、徳によって養われる。物として形姿を成し、精力が万物を完成させる。

故に、万物は道を尊び、徳を貴ぶ。それは命じることもなく、常に自然の理なのだ。▶︎

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今日の『老子』。(道教第五十章より 私訳)

人は皆、この世に生まれ、やがて死んでいく。充実して生きられる者が三割。早逝、あるいは生を全うできない者が三割。活躍しながら、行動の果てに死にゆく者もまた三割。その理由は、生を全うしようと行動が過剰になり過ぎるからだ。▶︎

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今日の『老子』。(道教第四十九章より 私訳)

聖人は常に無心であり、万民の心を自身の心と重ね合わせる。
 善人である者も、ない者も、徳によって、善の道を歩み、信頼できる者も、できない者も、徳によって信頼の道を歩む。▶︎

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今日の『老子』。(道教第四十八章より 私訳)

学を修める者は、日々積み重ねる。道を修める者は、日々減らしていく。減らし続けて、無為の境地に至る。為さないようでいて、実は万事を為している。
 世の中を治めるには、常に事無きを心掛ける。波乱を起こす程度では、世を治めるにはまだ及ばない。

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今日の『老子』。(道教第四十七章より 私訳)

外に出掛けずとも、世界を理解する。窓から眺めずとも、天の道を見つめる。遠くへと旅をするほど、道の感得は難しくなる。
 聖人は出掛けずとも深く理解し、眺めずとも鮮やかに感受し、動かずとも物事を成し遂げる。

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今日の『老子』。(道教第四十五章より 私訳)

大成したものは、何か欠けているように思えるが、その働きは衰えることがない。大いに満ちたものは、どこか虚ろに感じるが、その働きは尽きることがない。▶︎

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今日の『老子』。(道教第四十四章より 私訳)

世の名声と己の肉体は、どちらが慣れ親しんでいるだろうか。己の肉体と財貨は、どちらが大切だろうか。何かを得ることと失うことは、どちらが苦しみだろうか。▶︎

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今日の『老子』。(道教第四十二章より 私訳)

 道は無から有を生じさせ、有は陰陽を生じさせ、陰陽は相互の揺動を生じさせ、陰陽と揺動が合わさり、万物が生じる。万物は陰を背負い、陽を抱き、陰陽の混合によって、調和している。
 人々が嫌悪するのは、孤独や生き別れ、不徳であり、優れた▶︎

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今日の『老子』。(道教第四十一より 私訳)

 優れた人物は、道を聞いて、懸命に実践をする。中程の人物は、道があるような無いような振舞いをする。下らない人物は道のことを大笑いする。笑われるほどに、道は大いなる道となる。ここに的を得た言葉がある。

 明るい道ほど、暗いようであり、▶︎

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▶︎ 谷の水は涸渇し、万物は滅びに向かい、名君もやがては倒れるだろう。
 故に、貴いものは賤しさを根本に据え、高いものは低いものを基底に置き、指導者は孤独や生き別れ、不徳の立場に自身を置く。賤しさを根本に据えなければ、体得できないことがあるからだ。▶︎

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