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今日の『老子』。(道教第三十八より 私訳)

高い徳の者は、徳を意識しないので、徳がある。低い徳の者は、徳に固執するので、徳がない。
 高い徳の者は、徳を意識しないので、徳を実践したと思わない。低い徳の者は、徳を実践しなくとも、実践したと勘違いをする。
 仁者は、仁を自ら実践し、 ▶︎

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今日の『老子』。(道教第三十七より 私訳)

道はいつでも、何も為さないようでいて、為さないことなどない。指導者がこの道をよく守り、実践するならば、多くの人々が自ずと心服するだろう。心服しても、欲が溢れてきたなら、名も無い新木のような道によって、欲を鎮めよう。▶︎

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今日の『老子』。(道教第三十六より 私訳)

縮めたいものは、必ずしばらく伸ばしておく。弱めたいものは、しばらく強くさせておく。廃止したいものは、しばらく盛んにさせておく。奪いたいものには、しばらく与えておく。
 これを奥深い智慧という。柔らかく弱くとも ▶︎

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今日の『老子』。(道教第三十五より 私訳)

大いなる形象、道に従うならば、世界を堂々と歩むことができる。歩んで害はなく、安らかで平和、穏やかとなる。
 音楽と食事に、旅人は足を留める。しかし、道に沿った言葉は、淡く、味がない。▶︎

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今日の『老子』。(道教第三十四より 私訳)

大いなる道は、溢れ出る水のように、左へと右へと行き渡っていく。万物はこの道によって生まれ、成長する。道は功を成しても、自身の所有を主張しない。万物を育んでも、主人とはならない。常に無欲であり、それを小と名付けよう。▶︎

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今日の『老子』。(道教第三十三より 私訳)

 人々を知る者は智慧に富み、自身を知る者は道理に通じている。人々に勝つ者は力があり、自身に勝つ者は真の強さがある。足るを知る者は豊かであり、力を尽くして実践する者には志が宿っている。▶︎

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今日の『老子』。(道教第三十二より 私訳)

 道はいつでも名を持たない。道を体現した新鮮な材木は、小さくても、世界でこれを支配できる者はいない。
 指導者がこの道を遵守すれば、万人は自ずと従う。天地は調和して祝福をもたらし、人々は命令をしなくとも、自ら平穏に共生できる。▶︎

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今日の『老子』。(道教第二十九より 私訳)

 天下を治めようと行動しても、治めることなどできない。天下は神聖な器のようだ。治めようとみだりに行動する者は、器を壊してしまい、執着して掴もうとする者は、失ってしまう。▶︎

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▶︎ 大であれば循環し、循環すれば天地に遍く行き渡り、行き渡ればやがてここへと還る。
 道も、天も、地も、人もまた大である。世界中に四大があり、人もその一つとして存在している。
 人は地に従い、地は天に従い、天は道に従い、道はただ、あるがままに存在しているのだ。

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今日の『老子』。(道教第二十五より 私訳)

 漠とした物が渾然と混じり合い、天地万物より遥か前に生まれた。音も形も無く、独立して何にも依存せず、循環して留まることがない。これが天地万物の母である。
 私はその名を知らない。仮に字(あざ)を道と呼び、しいて名付けるなら、大と呼ぶ。▶︎

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