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「戦いから戻ってきたら話がある」。高校の同級生に囁かれる。え、フラグ? 血を流し、「好きだ」と打ち明け、私の腕で死んでいく……ってやつ? 「じゃ、ちょっくら片づけてくる」。大丈夫かな。つきあえるのか不安になる。好きだけど、想像以上の中二病。体育祭の騎馬戦へ、彼の背中が駆けていく。
「またジャージに眼鏡でBL漫画か。モテねえぞ」。家で兄に呆れられ、高校の文化祭に誘い出す。並んで歩くと視線を感じた。「そこそこいるじゃん、イケメンも」。いいの、彼氏はほしくない。お兄ちゃん、彼女いないし、やっぱり気づいてないんだね。自分の顔面偏差値と、私も含めた女の子たちの熱視線。
妹がジャージに眼鏡でBL読んでる。自宅とはいえ腐りすぎ。モテねえぞ。「大きなお世話。お兄ちゃん、文化祭来なよ」。当日並んで廊下を歩く。高校では制服にコンタクト。全く気づいてないようだけど、男の視線を無数に感じた。「ね、イケメンいないでしょ?」。手を握る。……お前もっと腐っていいぞ。
条件通りだ。彼は女性慣れし、お金もある分使ってくれる。デートが楽しい。「マッチング特措法」で、アプリによる恋人探しが義務付けられた。3年目に求婚され、私は首を横に振る。知らないんですね、女性の求めで法改正されたこと。今は結婚相手もアプリで探すんです。私の条件、身持ちの堅い倹約家。
理想的な女性だった。「マッチング特措法」。少子化で、去年国が施行した。自由恋愛は違法になり、国民は全員アプリで相手を探す。彼女とつき合い始めて3年経った。結婚しようと囁くと、彼女は驚く。「知らないんですか?」。何を? 「法改正。恋愛とは別だから、結婚相手もまたアプリで探すんです」
半年前、当時の彼女に突然泣かれる。1年の交際中、「振り回され、作り笑顔で我慢してた」と別れを言われた。つい先月、後輩に告られて、僕らはつき合う。最後に察しを求めた元カノを、理不尽に感じてた。今日、赤い顔した後輩に、高校裏手に呼び出されるまで。「ごめん先輩。身勝手すぎてもう無理だ」
高校帰り、元カレが後輩の女の子と歩いてた。1年の交際中、いつも彼に振り回された。独りになるのが怖くって、我慢を重ね、半年前にもう無理だ、と大泣きした。後輩が彼の隣で頬を染める。間違ってたよ。彼を過去にできたと思っていたこと。もう一つ。私じゃなければつき合えないって感じていたこと。
幼なじみの17歳に「お前を女と見てねえよ」とまた言われた。絶対だねと釘をさし、親が不在の自宅に招く。兄から無断で借りたAVは、幼なじみが互いを求める内容だ。「高校まで両片想い? ありえねー」。並んで画面を眺めつつ、乾いた笑みを浮かべてる。……そういうの、私の手を離してから言いなさい♥
「ほーん、絶対?」。17歳の幼なじみが鼻を鳴らす。お前を女と見てねえよ、と憎まれ口を叩いてしまった。「今日うち親いないんだ」。……それが何か? 「正視できないDVD、一緒に観ない?」。お前のヲタクの兄貴のか。ホラー? 「私を女と見てないんだよね?」。二言はない。「幼なじみモノのAVよ」
二つ下の弟が4年続いた彼女に振られた。中2からつきあい始め、何度も家に遊びに来た。私に懐き「お姉ちゃん」と呼んでくれた。「浮気がバレた」。弟がうなだれる。あんたは馬鹿だ。女心をわかっていない。「出来心だったんだ」。あの子の気持ちを想像しなよ。それからね、彼女への秘めた私の恋心も。