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「楽勝だから」と大学生の従姉に騙され、叔父の営む海の家でこき使われる。泊まり込みで20日。高2の夏が台無しだ。「デート相手もいないくせに」と昔馴染みの従姉が笑う。正解だけど、腹が立つ。だからこそ、夏休みが勝負時だと思ってたんだ。「あのさ、バイト辞めて探すより、続ける方が勝率高いよ」
懐かしい先輩と再会する。高校で一つ上だった夫の当時の元カノだ。田舎町を飛び出して、東京の大学を卒業後、出版社に就職し、夏休みで帰省したらしい。私と夫は地元で進学。彼が役場に勤めた頃、子どもを授かり結ばれた。優しい夫と可愛い娘。幸せを感じつつ、キラキラ輝く先輩が、眩しすぎて涙ぐむ。
夏休み、帰省先で元彼と再会する。「久しぶりだな。どう、東京の出版社?」。毎日刺激的で幸せだよ。「お前らしい。役場勤めの俺には無理だ」と彼が笑う。本当は疲れ切り、恋愛も上手くいってない。彼と別れ、大学から町を出たのは正解だったのかな……。顔見知りの後輩が、幼児を抱いて彼に寄り添う。
最後にもう一度、先輩に想いを告げよう。高校の天文部の夏合宿。「『妹』みたいに大事だから、ずっと『兄』でいたいんだ」。そんな言葉に涙を拭う。半月前、同じ部の同級生に告白された。優しい彼は答えを待つと言ってくれた。応じようと私は思う。ねえ、先輩。なりたかったのは「妹」じゃないんだよ。
初日の夜、不意打ちでキスされた。高校の天文部の夏合宿。「……これで先輩を諦めます」。泣き笑いした後輩が囁いた。最終日、同級生の男子に抱き締められる彼女の姿を見てしまう。恋人にはなれないけど、お前は大事な「妹」だ――。自ら告げた最後の言葉がほろ苦い。いらないんだね、「お兄ちゃん」は。
いつも心の声が漏れている。高校の同級生の男の子。夏休みに通う塾も、一人で祭りやプールに行くことも、丸わかりだ。「また会った。運命か?」。偶然よ、といつものように憎まれ口で返してしまう。「だよな。お前、男いそうだもんな」。……「運命」と「男いそう」か。ね、その心の声はどっちが本音?
一人で行った公営プールでばったり出会う。夏祭りでも遭遇し、夏期講習の塾も一緒だ。「偶然よ。勝手に運命感じないで」。17歳の女友達が膨れてる。そうだよな。憎まれ口を叩き合う仲だけど、やっぱりお前は高嶺の花だ。「……あのさ」。何だよ? 「再来年、大学の入学式で出会っても、偶然だからね」
高校の同級生に惹かれてる。可愛い彼女の周りには、いつも男子が大勢だ。「恋人未満の関係なのに焼やきもち焼くんだ?」。夏休み、誘い出されたショッピング。ぼやく俺に向けた笑顔を、再び行き交う客に向けている。転ぶぞ。イケメンいてもよそ見するな。「平気だって」。よそ見するなよ、切なくなる。
高校の夏休み、ショッピングモールで尻もちついた。「転ぶの、よそ見するからだ」。ため息ついて彼が手を差し出す。同級生で仲良しだけど恋人未満。彼の想いに自信が持てず、ついほかの男の子とも話してしまう。「そういうとこだ」。え、何が? 「よそ見せず、俺だけ見てくれてれば未満じゃないのに」
中高一緒のクラスの女子が、数学で頭を抱えてる。大学受験の夏期講習。それ補助線引けば一発だぜ。「あっ。気づかなかったよ」。お前は万事そうなんだ。「ほかに何? ケチらないで教えなさい」。自分の頭で考えろ。補助線なくても気づけるように接してきたぞ。対角線にお前に惚れてる男子がいるって。