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同棲中の彼女は今日も朝帰り。「もうやめる。絶対やめる」と繰り返し、ベッドに倒れて寝落ちした。アルコールの匂いを感じつつ、僕は思う。お前はきっとやめないよ。そういうヤツだもの。僕はしばらく我慢する。せめて体にだけは気をつけろ。ありがとう、消毒液が染みこむまでに働きづめの看護師さん。
同棲中の彼が髪を洗ってくれる。一緒のお風呂は久々だ。指が優しく頭皮を撫でる。その感触に恋が始まった5年前を思い出した。毎夜激しく抱き合った。いつ頃からだろう。互いに求めることもなくなったのは。今や情だけがぽつんと残る。明日の休日、この関係を終わらせる言葉を言おう。さようなら、と。
鮮明に嫌だと感じた。2年前、中学からの帰り道。兄が同じ制服の女子と話しているのを見かけた時だ。その直後、私は偶然知ってしまう。母が幼児の私を連れて、三つ上の男の子の父親と再婚していた過去を。兄は気づいているのかな。私たち、血が繋がってないんだよ。何よりも、溢れ出そうなこの想いに。
「もう起きなよ」。布団越しに重みを感じ目を開く。休日の朝。17歳の妹が、ちょこんと上に乗っていた。まだ眠いと偽って、布団に潜る。「兄貴に彼女ができないの、こういうところだよ」と呆れた声。お前はなんにもわかってない。自分の魅力も、2歳で継母が連れてきて、兄とは血の繋がりがないことも。
あいつは本当に無防備すぎる。園児の頃から一緒だけれど、お互いもう16歳。なのに今日も俺のベッドに寝転んで、笑って漫画を読んでいる。最近、俺の調子が悪い訳、わかっているか。「厨二病でもこじらせた?」。馬鹿たれが。もっとずっと重症だ。「だったら何よ?」。失いたくない幼なじみへの恋の病。
「花屋つきあって」と彼が言う。恋人未満の男友達。母の日に花を贈るそうだ。恥ずかしがるようなものでもないし、カーネーション一択でしょ。会計を済ませた彼が、店内を眺める私に呟く。「君はそれが好きなんだ」。ガーベラね。うん、そうだけど。7日後の私の誕生日、黄色いサプライズが待っていた。
同級生の男の子に「英語のノートを写させて」とせがまれた。高1で知り合い、進級しても片思いが続いてる。中間試験の前夜、彼からLINEが届く。添付の写真はノートのコピー。「ここだけわからないので、明日教えて」。私は顔を赤くする。落書きを消し忘れていたよ。ノートの隅に10回書いた"I Love You"
「体育祭の徒競走で1位になったらつき合って」。美術部の同級生に告られた。私はずっと片思い。でも、彼にその気があるとは思えなかった。いいのそれで、本当に? 彼は俯き黙り込む。やっぱり冗談だったんだね。切ない思いを笑いで隠した私に向かい、彼が言う。「3位以内に変更してもいいですか?」
「もう会わない」。終わった後、彼女は一瞬涙ぐみ、笑顔を向けて呟いた。別の子に失恋し、女友達にもたれてしまう。服を着て、振り返りもせず彼女は部屋を出て行った。恋人をなくし、友だちも失った。そこで気づく。失恋の痛みは鋭いけれど癒えそうで、親友を失う痛みは鈍くて深く、尾を引きそうだと。
天邪鬼の自分が嫌になる。ずっとそうだ。好きな男子に素直になれず、つい憎まれ口を叩いてしまう。結局、大学2年のGWも無駄に過ごした。お昼時、一人でカフェに足を運ぶと、片思いの彼がパスタを食べていた。いい加減に勇気を出そう。彼の前に腰を下ろす。お互いぼっち飯なら、2人で食事しませんか?