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掌編小説(140字)@縦読み漫画(原案)配信中さんのイラストまとめ


本業は別分野の物書きです。絵はイトノコさんや春さんの作品。投稿が原案の漫画(studio.booklista.co.jp/series/b88a988…)。Amazonアソシエイト。サブ(@syouhensub)、Pixiv(pixiv.net/users/95883938
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同じ部活の彼に恋していた。言えぬまま、卒業を迎える。彼の進学先は東京だ。部のパーティーの帰り道、お酒のケーキで酔ったふりして彼におぶわれる。黙ったままで別れよう。そう決めたのに、大きな背のぬくもりに想いが溢れる。送ってもらった自宅前。私は最後の勇気を奮う。「遠距離はダメですか?」

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同性に口づけされた。卒業旅行の温泉宿。親友だと思っていた女友達に告られた。濡れた唇をそっと離し、潤んだ瞳で見つめられる。次は私からキスをした。無自覚だった自分の中の同性愛。とろける思いでそのまま布団に倒れこむ。柔らかなぬくもりを感じつつ、私は思う。世間の「常識」からも卒業しよう。

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幼かったとしみじみ思う。高校時代、彼女がほかの男子と会話するのに嫉妬して、一方的に距離を置いた。あれから5年。同窓会で彼女と再会する。変わらぬ笑顔で、拍子抜けするほど普通に話してくれた。2人きりの帰り道、夜のベンチで酔いを覚ます。きちんと詫びて、伝えよう。ずっと好きだったんだと。

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5年ぶりの同窓会。久々に高校時代の彼と再会した。2人の帰り道、夜のベンチで酔いを覚ます。初めてつき合い2年半。青春の全てが彼だ。思い出が次々と甦り、つい饒舌になってしまう。「もうやめよう」。ぽつりと彼が呟いた。ごめん、終わった恋だね。「昔話はやめにして、未来の話にできないかな?」

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「お前の助言で告白できた」。腐れ縁の男友達がはしゃいでる。1週間前、片思いの後輩への打ち明け方を相談された。よかったね、と笑う私の顔を彼が見る。「……泣いてるの?」。ううん、花粉症。「目が真っ赤だぜ」。だから、花粉症だよ。「そうだったけ?」。あんたのせいで、7日前に発症したんだ。

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バイト先の菓子店に彼がやってきた。大学で出会って仲良くなり、そのまま友だちから抜け出せない。バレンタインも義理を装いチョコを渡した。「ホワイトデーに本命を返すんだけど」と相談される。そういう相手がいるんだね。無理やり笑い、相手の好みを聞いてみる。「お前が好きなのどんなスイーツ?」

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結局、電車は動かなかった。夜、歩きで10キロ先の自宅を目指す。「同じ方向だな」。職場の先輩が笑いかけてくれた。3月の寒い道。地震のこと、仕事のこと、自分のこと。取り留めなく会話しながら、心細くていつしか先輩の手を握ってた。あれから10年。家族になった先輩は、変わらず私を支えてくれる。

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密かに期待していたバレンタインは空振りだった。仲良しのクラスの女子。甘いものに無関心だとは聞いてたけど、義理チョコすらも貰えなかった。高校生活もあと1年。このまま片思いだと悔やみそうだ。気のない素振りで僕は彼女に訊いてみる。「ホワイトデーに男子から本命スイーツあげるのありかな?」

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「ホワイトデーに本命スイーツってありかな?」。クラスの男子に相談された。ありじゃない、と私は返す。そういう相手がいるんだね。勇気がなく、バレンタインに何もあげずに良かったよ。で、その子にチョコはもらったの? 彼は苦笑いし首を振る。「……そいつ、僕にも甘いものにも興味がないらしい」

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春には卒業式を思い出す。直前、片思いの彼にボタンをねだった。モテていたから事後では無理だと考えた。それを、事情を知らない幼なじみに奪われる。うっかりボタンをなくしたそうで、代わりに自分の制服につけていた。式後、別のボタンを返される。あれから5年。私は今、幼なじみと同じ名前でいる。

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