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掌編小説(140字)@縦読み漫画(原案)配信中さんのイラストまとめ


本業は別分野の物書きです。絵はイトノコさんや春さんの作品。投稿が原案の漫画(studio.booklista.co.jp/series/b88a988…)。Amazonアソシエイト。サブ(@syouhensub)、Pixiv(pixiv.net/users/95883938
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片思いの美少女が星やハートのチョコ型を選んでいる。同性の私にバレンタインチョコをくれるそうだ。胸が高鳴ったけど、友チョコだってあるもんね。「そうだよ。星型は友達としてのあなた用」。やっぱりそうかと俯くと、彼女は悪戯っぽく微笑んだ。「本命としてのあなたのためにはハート型で作ります」

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「チョコ型を見に行くからつきあって」。仲良しの級友に誘われた。品定めする横顔を眺め、私もこんな美少女に生まれたかったなと思う。片思いして1年半。同性に告白する勇気を持てない。バレンタイン、誰にあげるの? 切ない思いで尋ねると、小首を傾げて彼女は言った。「あなた以外に誰がいるの?」

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夫が女子大生と恋に落ちた。一人息子は自立済み。半年後、私は離婚届に判を押す。新妻を得た矢先、彼は事故で亡くなった。未亡人は22歳。親族に反対された恋だから、今日の葬儀も人はまばらだ。不思議と恨みは消えていた。同じ男を愛した相手だ。2人で暮らそうか? 憔悴した喪服の彼女が小さく頷く。

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3学期の図書委員は意外だった。やんちゃな同級生が手を挙げた。あんた、読書なんてしないでしょ? 「ジャンプは読むぞ」と胸を張る。放課後、今日も図書室で勉強中、カウンターで笑う彼に気づく。どうせジャンプだ。活動中に漫画読んだら叱られるぞ。「いや、告れるかなって、お前の表情読んでいた」

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彼女は僕の全てを受け入れた。学生時代の同棲相手。自分が愛されるとは信じられず、浮気をしては許しを乞うた。「仕方ないよ」。そのたびに寂し気に彼女は微笑む。ある日、この関係の正体に気づく。他人を使った自傷行為。目的は2人とも自己確認だ。歪さに何度もえずき、僕は彼女の前から姿を消した。

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「君の子だよ」。大学時代の恋人と偶然会った。大きなお腹を抱えてる。3年間同棲し、破局後、誰かと結ばれたと聞いていた。僕はうろたえ押し黙る。「冗談よ」と彼女が笑う。そうだよなと思いつつ、甘くて苦い気持ちが蘇る。「私、振られてよかった。今でも君は誰と寝たかすぐには思い出せないんだね」

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上映開始10分で彼は寝息をたて始めた。あまり眠れてなかったらしい。「片思いの同級生に告ったけど、玉砕した」。昨夜、私のスマホに電話があった。幼稚園からの知り合いだ。前売り券の処分役を引き受けた。右肩を彼の頭に貸しながら、動悸が少し早くなる。おかしいな。この恋愛映画のせいに違いない。

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「みっともないからやめなさい」。バレンタインまで1週間。辺り構わずチョコがほしいと口にしてると、クラスの女子にたしなめられた。中学以来の腐れ縁。わかったよ……。でもゼロってのは惨めだから、お前、義理チョコ一つぐらいは恵んでな。「あげないよ」。え? 「義理チョコなんて、あげないよ」

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保健室で横になる。職員会議で先生が退室したすぐ後に、先輩がやってきた。体育でどこかぶつけたらしい。「どうした?」。自分で湿布を貼った後、私に気づく。少し熱が、と答えると、そっとおでこに触れられた。「微熱じゃないぞ。顔も赤いし」。先輩、手どけてください。本当に微熱じゃなくなります。

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互いに高校生だった3年前、私は兄と道を踏み外した。いけないと思いつつ、想いを断てない。大学入学後、兄は実家を離れ、彼女を作った。兄の決意は伝わった。でも切なくて、涙が止まらない。その晩、3か月ぶりにLINEが届く。「振られたよ」。涙を拭い、兄のもとへと急ぐ。私は決めた。地獄に落ちよう。

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