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めっちゃ照れ臭い。18歳の幼なじみと交際半年。彼の部屋で初めて制服を脱がされかけた。園児の頃、スモックが脱げなくて、手伝ってもらったことがある。迂闊だった。あの時とは全然違うぞ。「……俺も恥ずい。やめとくか」。頬を真っ赤に染めながら、彼が言う。うんやめて。一人でちゃんと脱げるから。
大学生のお兄ちゃんが彼女と泊りで旅行に行った。高2のこれまで「お前を守る」と言ってくれてた。いつも私が一番で、シスコンだと思ってたのに違ったね。明日、答えを留保していたバイト先の先輩に頷くよ。吹っ切る努力をしないとね。悔しいから絶対言わない。自分がブラコンだったと気づいたなんて。
ブラコンの17歳の妹に彼ができた。2人と出くわし、少し苛立ち彼に尋ねる。こいつ甘えん坊で我儘だぜ? 好きな気持ち、勘違いじゃね? 「僕が年上だから、そういうのも可愛いです」。妹がしたり顔で俺に言う。「勘違いはそっちだよ」。何がさ? 「ブラコンじゃなく、シスコンなんだ、お兄ちゃんが」
17歳で同級生に恋をした。「応援するね」。そう笑い、親友は何度も機会を設けてくれた。勇気がなくて3年間、私は告白できずにいた。最近、私は気づいてしまう。彼の視線のその先と、彼女の変化に。応援するね、きっと上手くいくよ――。作り笑顔で彼の背中をそっと押す。今日、好きな人と親友を失った。
キスまでのつもりだった。それできっぱり諦める。流されて、けれど私は彼と寝た。「ずっと好きだった」と囁かれる。片想いの親友を、17歳から3年も応援してきた。彼は単なる同級生。最近まで本当にそう思い込んでいた。「親友も祝ってくれるよな」。何も知らない彼が微笑む。もういないんだ、親友は。
えっと私は恋愛ソング。飲み物はソーダにするよ。中学時代の仲良し男子3人が、カラオケに集まった。私もこっそり参加する。みんな彼女がいるんだね。あの頃、少しは惚れられてるか思ってたよ。幸せなのに泣かないの。その声は、けれど彼らに届かない。5年前の今日だった。私は病気でこの世を去った。
中学時代の男3人で集まった。カラオケで1曲ずつ予約する。「4番目の恋愛ソング入れたの誰だ?」と一人が笑う。注文もなぜかソーダが一つ余った。曲も飲料も取り消さない。3人が片想いした、彼女の好きなものだから。「来てるな」。見えないけどね。仲良し4人組の紅一点、彼女が病死し今日で5年。
反対を押し切って良かったと、改めて私は思う。高3の夏に妊娠し、堕ろすことも考えた。不良だった同級生の彼に告げると「絶対駄目」と叱られた。卒業後、彼は小さな会社に就職し、死に物狂いで働いた。私もパートで彼を支えた。あっという間の25年。平凡な幸せを噛みしめる。明日、一人娘が結婚する。
挙式直前、不安になる。彼は独立を夢見る職人だ。私の父は会社員、母はパートの平凡な共稼ぎ。「大丈夫。守る者ができれば、人は必死で頑張れる」。母が古い写真を取り出した。不良と腹の膨れた美少女が、高校の卒業式で笑ってる。うわやんちゃ。誰この2人? 「一人娘を授かった更生前のパパとママ」
大学時代、幼なじみに告白した。「何血迷ってんのよ」。彼女は笑って受け流す。冗談だ、と僕も笑顔を作ってみせた。あれから7年。式場の彼女は美しい。「幸せになるよ、私、必ず」。僕も同じ思いだよ。涙ぐむ彼女の前の蝋燭に火を灯す。いい人見つけろ。新婦の腰をそっと抱き、幼なじみの机を離れる。