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掌編小説(140字)@単行本『ごめん。私、頑張れなかった。』7月1日発売さんのイラストまとめ


本業は別分野の物書きです。単行本『ごめん。私、頑張れなかった。』24年7月1日発売(予約受付中)。投稿が原案の漫画(studio.booklista.co.jp/series/b88a988…)。Amazonアソシエイト。イラストはイトノコさん、まかろんKさん、NCG・春さんの作品です。
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「独り身には辛い時期だね」
「お前も同じだろ」
「お互いXマス直前に失恋か」
「ははは。仲いいな」
「ね、デートの真似事してみない?」
「映画見てメシ喰って……つき合うか?」
「それ、大学出るまで禁じ手の約束だよね」
「だな。破局したら本当にぼっちだ」
「あと3カ月、私も我慢するからさ」

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え、混浴? 入り口はわかれてたけれど、湯船に浸かり驚いた。彼女との初の温泉旅行。山奥の秘湯に投宿した。湯煙の先にうっすら白い背が見える。幸い利用者は2人だけ。ごめん、見ないように気をつける。後ろを向いて僕が言うと、彼女の声が返ってきた。「私はいいよ。夜にはしっかり見るんでしょ?」

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鬱陶しいと思われてるのは分かってる。彼とは昔、弾みで一度キスしただけだ。ちょっと抜けてるけれど、優しい彼は、きっといいパパになる。その時、私は隣にいられない。半年前、重い病気が見つかった。彼との未来は存在しない。男を磨き、必ず幸せ摑むんだぞ。幼なじみへの小言は私の最後のお節介だ。

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「宿題持った?」。朝、迎えにきた幼なじみが僕を睨む。おかんかよ、と思いながら、慌てて部屋まで取りに戻る。通学路、「小テストの予習した?」とまた小言。……ゲームやっててしてないけれど、そこまで細かくなくて良くないか? 「あのね、将来パパがそんなだと、子どもに示しがつかないでしょ?」

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風呂上がり、妹が半裸で水を飲んでいる。目を背け、服着ろよと注意した。「私に女を感じるんだ」。悪戯っぽく妹が笑う。遅れて上京してきた彼女と、同居してもう1年。僕は22歳、妹は19歳。兄として振る舞い切れるか自信がない。両親は再婚同士。お前は知らないだろうけど、僕らは血が繫がっていない。

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「不倫は駄目です」。休日に自宅でTVを見ていると、アイドルがコメントしていた。そりゃ良くないよ。でも、好きをねじ伏せられないこともある。その時、彼がやってきた。「ごめん。妻に気づかれそうで少し遅れた」。彼は私をぎゅっと抱く。キスの後、TVに気づき、彼は言った。「自分の番組見てたんだ」

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言ってしまった。失恋して黄昏れている同級生に、話の流れで告ってしまった。私の右手をつかんだまま、彼は言葉をなくしてる。あ、好きになってくれてもいいと言っただけで……と釈明しかけたその瞬間、ぎゅっと彼に抱き締められた。「もう当分、失恋するの嫌なんだけど」。囁く彼に私は黙って頷いた。

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なんと、今度は3連!!!!!!
わかりやすいようにスクショしておきました😳
すごいなあ😍🌟❤️⚡️😳

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「片思いにくたびれた」
「それでもまだあいつを好きなのか」
「うん……。彼は彼女にベタ惚れなんだけどね」
「そうか」
「焼きもちって嫌な感情だね」
「そうだな」
「自分を嫌いになりそうだ」
「わかるよ。辛いな」
「本当にわかってる?」
「お前のことで、もう2年も自己嫌悪を続けてるからな」

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「返事は後日でOKでーす」。笑って彼に手を振った。本当は、胸がばくばく破裂しそうだ。彼にとって、私はずっと「幼なじみの不思議ちゃん」。理由をつけて誘い出し、今日初めてデートした。募る思いを抑えきれず、別れ際、軽薄を装って打ち明ける。不思議ちゃんは恋人へと昇格させてもらえるだろうか。

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