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高校の同級生とつきあった。「よかったね、お兄ちゃん」。1歳下の妹に祝われる。ひと月前、妹にも彼氏ができた。やっぱり気づいてもらえない。なぜ僕が、同級生の告白に頷いたのか。想いを断ち切ろうと考えた。でも、無邪気に微笑むその顔に切なくなる。大好きな人がいる。一番そばに、血の繋がった。
一つ上のお兄ちゃんに彼女ができた。同じ高3の同級生。アオハルだね、と私が言うと「お前もこの前、彼氏できたろ」と返される。こんな結果になるなんて、思わなかったよ。彼の告白に応じたわけ、やっぱり伝わってないんだね。焼きもち焼いてほしかった。誰よりも愛してる、血の繋がったお兄ちゃんに。
あるマイナー作家を偏愛してる。作家や作品を語り出すと止まらない。だからだろう。高校で、僕にはほとんど友だちがいない。クラスの女子が昼休み、作家の本を読んでいた。嬉しくて同じミスを繰り返す。彼女が僕を見つめてる。ごめん。貴重な友だち候補を失った。「……放課後、続きを聞かせて下さい」
「その作家、好きなの?」。昼休みに読書中、同級生に話しかけられた。彼はそのまま30分、夢中で蘊蓄を語り続ける。「やちゃった。だから友だちできないんだな」と頭を掻いた。本好きな私にとっても高校は孤独な場所だ。席に戻りかけた彼の袖を、咄嗟に握る。……放課後、続きを話してもらえませんか?
妻が事故で急死した。夫婦喧嘩の仲直りはもうできない。涙を堪え17歳の一人娘を静かに諭す。思いは告げろ、後悔するぞ。「パパ、先輩との交際、反対なのかと思ってた」。男親だから心配してた。お前、最近喧嘩して、彼と喋っていないだろ。今後は信じて見守るよ。悔やまぬよう、彼ときちんと話し合え。
下着姿の後輩が、制服に着替えてた。俺の隣で友人が「ごめん!」と叫び、慌てて部室の戸を閉める。高2の彼女、胸大きくなったよな。「どうだろう」。彼は首を傾げてる。知ってるぜ、半年前から2人が秘密でつきあってること。すまん、俺も伏せていて。後輩の入学直後の4か月、彼女は俺の恋人だった。
高校の部活の仲間と、うっかり部室の戸を開く。室内で後輩が着替えてた。ごめんと詫びて慌てて閉める。「……あの子、胸成長したな」。どうだろう、と曖昧に僕は答える。忘れてくれ、今見た彼女の下着姿。本当に大きいんだ。誰にも言ってないけれど、半年前から交際してる。先週初めて着痩せを知った。
鈍いあんたにゃ彼女もできない――。高校で、腐れ縁の男子に悪態つく。「なら賭けようぜ。1か月で彼女をつくる。できなきゃ言うこと聞いてやる」。彼がほかの子に声を掛けるたび、私は慌てて割り込んだ。「そこまでして勝ちたいか?」。うん、そうだ。鈍感な誰かさんに、聞いてほしいことがあるんだよ。
いつも「鈍い」と俺をからかう、高校の女友達と賭けをした。1か月で恋人ができなけりゃ、お前の言うこと何でも聞くぜ。辺り構わず粉をかけるが、相手にされない。決まって彼女が邪魔するからだ。そこまでして勝ちたいのかよ? 「聞いてほしいことがあるの」。何だよ? 「……私、彼氏がほしいんだ」
部活の男女とカフェで笑う幼なじみの姿を見かける。高校から、あいつは共学、俺は私立の男子高。距離ができ、自分の想いに気づかされた。「こいつ、私の幼なじみ」。見つかって、他校の部員に紹介される。「混じっていきなよ、おごるから。あんた、好きなの何だっだけ?」。気づけよ、俺の好きなもの。