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「気になる女子ができた」。幼なじみが呟いた。同じ高2の17歳。悔しいけど、少し前から彼のことを好きでいる。黙っていたのは私の落ち度。でも、今はそれ以上聞きたくない。「聞きたくないんだ」。すぐには気持ちの整理がつかないよ。「じゃ黙ってる」。うん……。「気になる相手、すぐそばってこと」
動けないのに意識だけはまだらに戻る。彼は今夜も見舞いに来た。「職場に気になる後輩ができちゃった……」。問わず語りに呟いてる。婚約翌日、事故に遭い、以来私は寝たきりだ。このまま私に殉じちゃ駄目だよ。その時一瞬目が開く。10年ぶりに見つめた彼に囁いた。もういいよ。幸せになって下さいね。
病床の彼女が目を開く。婚約翌日の事故以来、10年ぶりだ。半年前、職場の後輩に告白された。僕もその子に惹かれてる。解放されたい。一瞬でもそう感じた自分を恥じた。婚約者に殉じよう。誓う僕を潤んだ瞳が見つめてる。再び眠りに落ちる直前、彼女は微笑み囁いた。「……もういいよ。幸せになってね」
17歳の幼なじみに恋をした。彼とは距離が近すぎて、今さら素直に告れない。GWのマクドナルド。隣の席に可愛い幼女が座ってる。「お前は男顔だから、可愛いよりクールな子どもを産むんじゃね?」。茶化す彼をじっと見つめる。「何だよ?」。あんたは女の子みたいに綺麗だもんね。協力してね、将来的に。
「あの女の赤ちゃん、可愛いね」。17歳の幼なじみがはしゃいでる。GWのマクドナルドは家族連れで大賑わい。「私の子どもも可愛いだろうな」。お前、男顔じゃん。むしろクールになるんじゃね? 可愛い子がほしければ、相手選びは慎重に。そう言う僕をじっと見つめ、彼女が微笑む。「うん。多分大丈夫」
高2の秋、年上の彼女に打ち明けた。「交際中の彼がいるの」とかわされる。冬、街で彼女と出くわした。婚約を破棄されたと泣いていた。その夜、僕らは一つになる。現役で進学し、卒業したら就職するよ。「君は八つも年下なんだね」。彼女が切なく呟いた。僕なら絶対泣かせません。愛してます、先生を。
GWが終わってしまう。自室で昼間、こうして彼とまどろめない。「連休後も毎日会えるじゃん」。彼が無垢な笑顔を向けた。密かに決めてることがある。夏前までには別れを告げよう。押し切られて交際し、もう半年。まだ思春期の彼の未来を奪えない。八つ下の彼が私の顔を覗き込む。「元気ないね、先生?」
昼に自室の窓を開け、缶ビールのプルを引く。彼女のいないGWは5年ぶり。半年前、冬の夜に別れを告げた。好きだけど、もたれかかられ、互いに成長できない気がしていた。繰り返し重なったベッドを眺め、ぼんやり思う。お前はもう元気かな? 春なのに、僕は少し寂しくて、一人の時間を持て余している。
連休中の買い物帰り。向かいのホームの俺に気づき、彼女は隣の可愛い男子の手を握る。俺は無言で電車に乗った。「大人っぽいね、彼女さん。高校の同級生だよね?」。ああそうだ。俺には「お兄ちゃん」を求めるくせに、GWの浮気相手は年下かよ。「女心は複雑なのよ」。笑うお前一人で十分だ。妹なんて。
向かいのホームに彼がいた。可愛い少女を連れている。「連休中の所用」って、これなんだ。高校に入学以来、交際2年。最近すっかり「お姉ちゃん」扱いだ。気づいた彼が、咄嗟に少女と距離を置く。私は隣の男子の手を握る。「何だよ、急に?」。もううんざり。「お姉ちゃん」はリアルだけで十分なんだ。