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高校の親友が、恋人との最初を済ませた。2人の距離は縮んで見える。僕にも今春、彼女ができた。大好きで、繋がりたいのに、拒まれる。大切だから無理はしない。でも、求めるたびに泣かれるのは、やるせない。初めては、僕以外がいいのかな。彼女の幸せを願うなら、もうこの手を離すべきなのだろうか。
彼の想いを信じてる。私だって大好きだ。高2の春から交際し、7か月。最近、彼に求められる。応じたい。けれど、自分が変わってしまいそうで怖気づく。「ごめん。まだ待つよ」。涙を流す私の体を、彼が強く抱き締める。謝るべきは私だよ。繋がれる誰かに委ねた方が、あなたを幸せにできるのだろうか。
作り笑いで場の空気を和ませる。高校の友人に「秋桜みたい」と笑われた。花言葉の「調和」の意味らしい。「彼氏もいたし、奔放で、コミュ力凄げえな」。幼なじみに驚かれる。本当は臆病な人見知り。とっくに恋も終わってる。君にぐらいは知っててほしいな。秋桜の、もう一つの花言葉は「純潔」だって。
「大事な話がある」と呼び出された。彼とは中学からの友人だ。「会社の後輩と婚約した」。物好きもいるもんだ、と私は笑う。これまで互いに相手がいても、最後は恋人未満に戻っていけた。私は道化だ。今夜、実は淡い期待を抱いてた。「泣いてるの?」と彼が訊く。間違えないで、これは嬉し泣きだから。
「独身最後の顔を拝みに来た」。挙式前夜、女友達が自宅にきた。中高大と同級生。恋の成就を祝いあい、失恋を慰めあった。僕は明日、一足早く会社の後輩と結婚する。何だよ、今さら僕が惜しいとか? 彼女は笑い「自惚れるな」と舌を出す。「惜しいのは、想いを伝えられなかった自分自身の臆病さだよ」
幼なじみは容姿で好かれる。今度は高校の先輩に告白された。本当は明るくも無邪気でもないくせに、そう振る舞う彼女の姿が痛々しい。俺ならば、弱いお前もひっくるめ、ずっと好きでいてやれるのに。いいよ、想いは押しつけない。今は好きにすればいい。傷ついたら握れるよう、俺はこの手をあけておく。
「ずっと一緒の俺には分かる。先輩はお前に向いてない」。幼なじみの忠告を聞かず、高校の先輩と交際した。事故はその一週間後。歩けなくなった私は距離を置かれ、恋は終わった。車いすを押しながら「言った通りだろ」と彼が笑う。うん、向いてなかったね……。「もう一つ、『ずっと一緒』の方もだよ」
色んなタイプの女の子とつきあった。「私じゃ満たせない気がするの」。大抵そう別れを告げられる。「お前に合う子? 知らねえよ」。大学まで同じの幼なじみに笑われて、「次行け次」と肩を抱かれた。そうだな。でも最近、こんなふうにも思うんだ。同性のお前と過ごすこの時が、何だか一番満たされる。
先輩に振られた私を、幼なじみが慰める。彼とは8年ぶりに大学で再会した。初めて交際した先輩は、ずっと一緒と言ってくれた。「そんなものだよ、約束なんて」と彼が笑う。誠意がないじゃん。「ならばお前も同類だ」。そう呟かれ、遠い昔を思い出す。……したね、「あなたのお嫁さんになる」って約束。
大学で再会した幼なじみが荒れている。先輩に手酷く振られたそうだ。「初めての恋だったのに」。初恋が成就するのは漫画だけさ。「童貞のくせにわかったような口きいて」。悪かったな。これでも高校時代はモテたんだ。「何で誰とも交際しなかったのよ?」。……漫画のような恋をしたいと思ってたから。