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勉強もスポーツも高校上位。周りから「負けん気が強い」と思われて、もう自分ではそのイメージを崩せない。実際は、無理に無理を重ねてて、毎日が息苦しい。「すべてトップは不可能だよ」。片思いの部活の先輩に笑われる。先輩、本当はたった一つでいいんです。「一番」にしてもらえませんか、先輩の?
この子のことだけずっと好きだ。そう思ってた。高校の一つ後輩。「別れたくない。悪いところ全部直す」。3か月前、泣いてすがられ、何も言えず謝った。なぜ想いがさめたのか、自分でも上手く説明できない。「お前一人をずっと好きでいる」。新しくつきあい始めた同い年の恋人に、囁きながら自戒する。
彼が大好きだった女の子を知っている。同じ高校の後輩だ。3か月前、彼は彼女に別れを伝え、ほどなく私に告白した。つきあい始めた彼は優しく、誠実で、温かい。与えてくれるこの愛情に、嘘偽りはないだろう。「お前一人をずっと好きでいる」。笑顔で囁くその言葉だけが、今はどうしても信じられない。
行ってくるね、結婚式。下着を身に着け私が言うと、「幸せになれ」と彼は笑った。知り合って3年。彼とは何度も体を重ねてきた。寂しい家庭に育った彼は、けれど、私に満たされない。職場の先輩に求婚され、ためらいつつも私は頷く。ごめんね、「お母さん」になれなくて。あなたを本当に愛してました。
彼女がメイド姿で注文をとっていた。高校の文化祭。「あら、ご主人様」。僕を見つけて彼女がお道化る。なあ、少し露出高めじゃないか。「普段、服になんて興味ないくせに」と笑われた。んなことねえよ。「約束できれば今度家で着てあげる」。え、どんな? 「すぐ脱がそうとしないって、約束できれば」
「好きです」。教え子に打ち明けられた。放課後の音楽室。たしなめて、泣かれた姿を誰かに見られ、噂になった。もし5年遅れで告白されたら、僕はどうしていただろう。高校を追われて10年。駅構内のストリートピアノで、2人で聴いたショパンを奏でる。実は微かに惹かれてた、制服姿を思い出しながら。
両手を繋げたら告白しよう。そう決めてたのに、後夜祭のフォークダンスは彼まであと2人で終了した。3年間、同じクラスの同級生。帰ろうとしてる彼の右手を咄嗟に握る。ね、たまには一緒に下校しようか。「どうした、また悪い笑顔で。何企んでるんだ?」。うん、帰り道、ダンスの続きを企画したんだ。
夫に言えない秘密がある。高校以来、携帯の番号を換えられない。初恋相手と激しく恋し、卒業直前、破局した。穏やかな夫に不満はない。元カレも大卒後に別の相手と結ばれた。なのに時々、無性に声を聴きたくなる。着信音に今日も淡い期待を抱く。もしもし、あなたは幸福ですか? 私は何とか幸せです。
結婚式への欠席はSMSで返ってきた。「久しぶり。幸せになってね」。携帯は換えたけど、以来10年もメールを消せない。お前より妻を愛せなかった。約束守れなかったと書きかけて、届くはずないと苦笑する。制服の泣き顔が最後の記憶になるんだな。笑って別れるべきだった。余命半年、僕は独り後悔する。
「読んじゃ駄目」。文芸部の彼女は言った。そう言われると気になって、高校の文化祭でこっそり彼女の短編を開く。うわ、これ私小説だ。俺が涙ながらに告ったことまで書いてある。「交際一か月、彼は少し強引に私の唇を奪った」。……待て待て。なぜここだけ違うんだ。不意打ちしたの、お前じゃないか?