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高校の理科準備室に呼び出される。呆れ顔の先生と同級生の女子がいた。「夏休みの宿題な、10か所同じミス」。丸写ししたな、このバカめ。あれほど僕を信用するなと言っただろ。「先生、私、大好きな彼の全部を信じてて」。……卑怯者め、そうきたか。先生、僕の責任です。彼女に無理やり写させました。
彼といるのを父に偶然見られてしまう。予備校の夏期講習で打ち明けられた。高3だし叱られるかなと覚悟してると「彼を支えて受験も頑張れ」と応援された。両親は同い年。その昔、受験を控えた父が一目ぼれしたそうだ。それが理由だったんだ。同じ轍は踏まないように気をつけるね。母は現役、父は一浪。
嫉妬に疲れ、中学からの彼と別れた。慰めてくれたのは、女子高の同級生。同じ時間を過ごすうち、私は彼女を好きになる。気づかされた自分の指向。想いは届き、夏休みに初めて一夜をともにした。始業式、同級生と笑う彼女に切なくなる。共学ならば良かったのにな。今は学校の全員が、私の嫉妬の対象だ。
一緒に受けた夏期講習も今日で終わり。予備校の授業の後は夜まで図書館で勉強した。小学校から知ってるけど、こんなに彼女といるのは初めてだ。ようやく俺は、自分の気持ちに気づく。「高校最後の夏休みが終わっちゃうね」。微笑む彼女が愛おしい。なあ、夏の終わりに、始めたい関係があるんだけれど。
二つ上のお兄ちゃんが大好きだ。小さい頃からどこにでも一緒に行った。高2の夏、「そろそろ彼氏つくれ」と笑われる。うん、と答えて、悟られぬように涙ぐむ。わかってる。今の私の感情は、慕う幼児のままじゃない。この先に、未来はないよね。断ち切らないと。その夜、告白されてた先輩に、私は頷く。
図書館で、高校の同じクラスの女子に会う。「夏休みの宿題が終わらない」。へえ、随分遊んだんだな。「あんたはどうなの?」。夜通しやって7月中には片づけた。「根性あるね。でも、ちゃんと寝なきゃだよ」。多分、今日からまた徹夜。遊んだ相手は誰なんだ。恋煩いが苦しくて、夜にちっとも眠れない。
夏休みの宿題が終わらない。図書館で唸っていると、高校の同級生が現れた。「遊びすぎの報いだな」と彼が笑う。いや、遊べていたら、むしろ今ごろ片付いてる。これはあんたの責任だ。「え? 会うの終業式以来だろ?」。うんそうだ。だから、それが原因なんだ。片思いが辛すぎて、勉強が手につかない。
幼なじみは高2になっても夢見がち。「いつか白馬に乗った王子様が迎えに来るの」。俺の中二病も治らないけど、お前の少女漫画脳だって相当だ。「いいの。そういう恋をしたいのよ」。俺はホームセンターに自転車を走らせる。馬は無理だが、この愛車で迎えに行くぜ。店員さん、白いペンキはどこですか?
「全人類の1%は宇宙人」。始まった。幼なじみの中二病。「世界は秘密結社が支配している」。はいはい。お互いにもう17歳。成長してね。「ところで極秘情報を入手した」。今度は何? 「俺を好きな女の子が、どうやら身近にいるらしい」。……その情報源は一体どこよ? 「内緒だぞ。お前の姉ちゃん」